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TOKYOマーケットに見る晩夏〜秋冬のMD展開
 先週はLONDONの店頭から欧米市場のMD展開を論じたから、今週は目前で進行するTOKYO市場のMD展開に触れねばなるまい。
 TOKYOでは6〜7月がぐずついて盛夏物がダブつき、バーゲン初日は盛り上がったものの雨天で後が続かず、梅雨明け遅れで盛夏物が盛り上がらないまま晩夏・初秋物に関心が移りつつある。赤文字雑誌とタイアップした‘プリプラ’(プリティプライスと名付けた夏物実需品のお手頃価格企画)服キャンペーンはそれなりに盛り上がったようだが、総じて夏物の消化率は散々だったのでは。元々、夏物はGW明けから立ち上がって6月いっぱいプロパー展開し、7月1日(ほぼ欧米も共通)頃からバーゲンになる。6月も後半からはバーゲン待ちの買い控えが避けられないから、プロパー販売期間はせいぜい6週間しかない。結局は過半をバーゲン処理する事になる。そこで、目先の効くアパレルは夏物を最小限に抑え、バーゲンと並行して直近企画で‘プリプラ’展開したり晩夏物に山をかける訳だ。最近は秋色・夏素材の晩夏物(御盆から値下げして8月中に売り切る)、秋トレンド初秋素材の初秋物(9月いっぱいプロパーで売って体育の日の連休に値下げして売り切る。ノースリーや半袖も多い)を仕掛け、一気に冬物に移るストーリーが主流となりつつある。
 秋色紡毛ウール中核の冬物は春色獣毛混系のホリデイ(日本式には梅春物)が11月始めに立ち上がると一気に陳腐化するから、これもプロパー販売期間は11月前半までの6〜7週程度と見るべき。その後はパステルやモノトーン中心の防寒アウターに春色のネック物インナーをコントラストする梅春物が主役となる。11月末にはパーティウエア、欧米式のクルーズ(クリスマス休暇向けのリゾートウエア)も立ち上がるが、前者は既に通年展開化しているし、後者はブリッジ以上の高級品に限定される(日本の大衆ではそのようなライフスタイルは少数)。TOKYO市場では12月末の初春物(多少の防寒性もある肉厚の春物)の立ち上がりをもって梅春物のプロパー展開が終わり、年明けのバーゲンに突入する事になる。
 このようなストーリーはこれまでの常識と少し異なるかも知れないが、プロパー消化を重視すれば避けられない組み立てだ。プロパー販売期間から逆算すれば、各シーズン商品をどれだけ仕込めばよいか想像がつくであろう。
 2006/07/24 18:51  この記事のURL  /  コメント(0)

ロンドンに見る夏のMD展開
 急ぎの要件があって3泊のロンドン出張に出掛けたが、当地はサマーバーゲン一色で晩夏MDはまったく見られなかった。6月末から始まったバーゲンは最終処分段階に入っており、50〜70%オフのファーザーリダクションの赤札(世界共通みたいです)が氾濫していた。バーゲン一色の7月の後はバカンスシーズンが明けて一斉に秋冬物が立ち上がる8月下旬まで開店休業みたいなもので、晩夏も初秋もなく突然、ウールコートの第1弾まで含んだ秋冬本番に突入する。パリは市条例によってバーゲン解禁日が定められるがロンドンと大差なく、晩夏初秋なく秋冬本番に突入するのも同様だ。MD展開上もキャッシュフロー上も、もったいない事このうえない。では、欧米はみな同じかと言うと、そうでもない。米国市場ではバーゲン入りがやや早く、7月後半からバック・トゥ・スクール(日本的に言えば晩夏)が立ち上がり、9月第一月曜のレイバーディ連休にこれがセールになった後、秋冬物が立ち上がる。
 四季がはっきりした日本市場は晩夏/初秋/秋冬/梅春/初春/春/初夏/盛夏と8サイクル(最近は晩夏・初秋が拡大し、秋はなくなってきた)で衣料MDが流れるが、欧州市場では秋冬/クルーズ/春/夏の4サイクル、SPAが本流の米国市場ではバック・トウ・スクール/秋冬/クルーズ/春/夏の5サイクルで流れている。グローバル展開のブランドではこの3エリアへの対応が求められ、米国あるいは欧州をベースとしたコレクションからデリバリーで季節展開のMDを組んでいる。元々がAW/クルーズ/SSの3コレクションからデリバリーを組んでいるに過ぎないから、日本市場への対応には限界がある。最近はジャパン・フィットなどのローカルMDも組まれるようになったが、シーズンMD展開のローカル対応はまだこれからのようだ。
 2006/07/19 17:34  この記事のURL  /  コメント(0)

自主MD成功への突破口は在庫の再編集陳列技術だ
 百貨店業界では自主MD気運が盛り上がり盛り下がりを繰り返して来たが、都市百貨店各社の動向を見ていると今度こそは「買取り」が定着しそうな勢いだ。「勢い」と皮肉っぽく言い放つのは、これまで何度も「販売消化」の壁にぶつかって腰砕けて来たからだ。
 百貨店各社はバイイングの精度と販売力の向上で買取りを成功させようと意気込んでいるが、店頭の在庫運用を見る限り、買取りの採算が採れるほど消化出来るとはとても思えない。立ち上げ時〜ピーク時〜売り切り時と切り替えて行く在庫の再編集運用が幼稚過ぎ、消化進行をドライブ出来ないでいるからだ。
 スタイル訴求とアイテム訴求のバランス変更、ルックの組み換え、カセットの解体再編、テイストやカラーのグルーピング再編、シーズン強制シフトなど、買取りが当たり前の専門店で確立されて来た再編集陳列技術を会得しない限り、買取りは成り立たない。一部の高級品を例外として、販売力強化とは実は再編集陳列技術向上の事なのだ。
 鳴り物入りでスタートしたイオンとIYのPB戦略も仕掛はイオンが一歩リードしたものの、販売消化進行を見る限りIYの逆点は明らか。イオンが軽視して来た再編集陳列技術がIYの現場には定着しており、消化ドライブ力に大差があるからだ。どんなに商品力を改善しても、再編集陳列技術が伴わないと現実の消化進行は進まない。量販店も百貨店もその事実を正視し、技術の修得と定着に全力をあげるべきではないか。
 2006/07/05 19:10  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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