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アパレルはローカルなもの
 ファストファッションなど外資SPAが注目されるとは言え、その売上は微々たるものだ。国内売上ランキング上位に入るのは推定860億円で14位に位置するギャップジャパンだけで、推定230〜250億円のザラジャパン、本国決算から238億円と推計されるH&Mジャパンがベスト50に食い込むに留まる。
 ユニクロの国内事業が前期6000億円で国内アパレル専門店市場の約7%を占めるのに対し、外資SPAはトップのギャップジャパンでも約1%、主要外資SPA全社を合計しても3%に届かないのが現実だ。それは米国でも同様で、ギャップ社が145.5億ドルを売り上げて全米アパレル専門店売上の5.9%を占めるのに対し、00年に進出したH&M社は239店で15.3億ドルに過ぎないし、89年に進出したZARAはわずか46店に留まる。
 外資SPAが急伸しているアジアでも、全社店舗数に占める比率は先行するユニクロこそ23%と突出しているが、インディテックスは7.5%、H&Mは4.7%、出遅れたギャップは0.6%に留まる。そのユニクロにしても、アジアシフトを強めるほど国内売上が伸び悩む傾向が顕著だし、大枚を投資した米国では赤字が拡大している。アジア市場に対応するほど国内や米国で伸び悩むというジレンマを抱えているようだ。
 我も我もと進出が加速している中国市場にしても、ジャパンファッションが受け入れられるのは沿海大都市部の限られた市場であり、大半のブランドは数十店舗、20〜30億円程度で頭打ちになって ‘巨大市場’の片鱗しか捉える事が出来ない。本格的に拡大するには中国市場に特化した実質的‘別ブランド’を開発してローカル対応するしかないが、それだけの覚悟で進出している企業が果たして何社あるのだろうか。アパレルでは現地開発の別ブランドを展開するオリーブ・デ・オリーブ、ランジェリーでは現地の体型と好みに抜本対応したワコールが良いお手本なのではないか。『アパレルはローカルなもの』と肝に銘ずるべきであろう。
 2012/08/29 09:38  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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