« 前へ | Main | 次へ »
SEOULバーゲンに殺到
 バーゲン時期論争が過熱する中、ちょっと小耳にはさんだお話。日本では業界利益を追ってバーゲンを後ろ倒しする動きが目立つが、インバウンド(海外観光客)消費を考えると世界の趨勢を無視して良いのかと警告を発したくなる。パリは6月末、NYは6月中旬と前にも書いたが、実際に競合する香港や上海、SEOULも6月中には本格的な夏バーゲンが始まるからだ。
 そんな中、今年は例年以上にSEOULの百貨店のバーゲンに日本人客が殺到しているという。格安航空便の就航で一段と手軽になった事もあろうが、日本の夏バーゲンが後ろ倒しされた事も影響しているのかも知れない。円高ウォン安で割安なSEOUL価格がバーゲンでさらにお買い得になり、日本では決してバーゲンしない一部のスーパーブランドまで上客にはVIP割引があるというから、わざわざ出かけるメリットがあるという事のようだ。
 昨日の日経のコラム『セールの開始時期』で高島屋の鈴木弘治社長が『売り手都合でバーゲンを一方的に先送りするのは顧客第一主義ではない』と言っておられたが、商人の本道をゆく立派な姿勢だとエールを送りたい。が、そんな立派な商売人はアジア近隣諸国にも少なくない。日本の不毛な混乱を見て、日本のお客様を積極的に勧誘しようという百貨店が出て来てもちっとも不思議ではないのだ。
 少子高齢化と産業の空洞化で市場が縮小して行く日本においてはインバウンド消費は数少ない有望市場であり、バーゲン時期の設定においても周辺諸国との競争関係を配慮すべきと思われる。バーゲン時期を後ろ倒しする動きが広がると、アジアのインバウンド客はおろか、大切な日本の上顧客さえ近隣アジア都市に奪われかねない。狭い業界村の論理を押し通して顧客を失う軽挙を反省してもらいたいものだ。
 2012/07/26 10:13  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ