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いまさら「Old Navy」ですか?
 今日、ダイバーシティ東京にギャップの低価格ファミリーカジュアル大型業態「Old Navy」日本一号店が開店した。930平米と米国での展開(平均1655平米)と較べるとコンパクトだが、内装やVMDは米国と大差ない。価格はTシャツが500円、ジーンズが2990円と、米国の二倍近い法外価格で値引き販売が常套化している「Gap」の3〜4掛けだが、「ジーユー」より高い割りに品質はチープで、日本で何処まで受け入れられるか疑問符が付く。
 「Old Navy」は93年に実験的に開発した「Gap Warehouse」(アウトレットストア)を94年に低価格ファミリーカジュアル大型SPA業態にリコンセプトしたのが起点で、90年代から00年代にかけて急成長して『20世紀最大のパワーコンセプト』とまで言われた。私も「Gap Warehouse」の段階から何度も視察しているが、90年代にはマイノリティ市場を捉えて急成長したものの00年代に入ると新機軸を打ち出せなくなり、近年はかつての勢いを失っていた。
 06年1月期に68.6億ドルに達したのが頂点で、店舗数も09年1月期末の1067店をピークに減少に転じ、直近の12年1月期では56.7億ドル/1016店まで減少。ギャップ社全売上に占める比率もピークの06〜07年は42.8%に達していたが、直近では39.0%まで低下している。米国市場では目新しさのないマイノリティ感覚のチープなファミリーアメカジというイメージが強く、ピークを過ぎたブランドと言わざるを得ない。
 そんな落ち目の「Old Navy」を今更、日本市場に投入するというギャップ社の日本市場認識はかなり疑わしいが、チープなファストファッションのブームや「ジーユー」の急成長を見てイケると判断したのだろう。95年に日本に進出して直近では推定年商850億円と国内14位に位置するギャップ社は外資SPAの中では突出しているが、米国の二倍近い「Gap」の価格設定や「Banana Republic」の中途半端なローカル化など、日本市場に対する認識には首を傾げる事が多い。どんどん貧乏になる日本だが、着こなしと品質に対するこだわりはまだ失われてはいない。少なくとも、そう信じたいものだ。
 2012/07/12 10:30  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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