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バーゲン時期はどうあるべきか
 業界ぐるみの「夏バーゲン後ろ倒し」が様々な波紋を呼んでいるが、私は『バーゲン時期は早い方が良い』などと言うつもりはない。業界利益のために業界ぐるみで遅らせる事が反消費者的で、独占禁止法上の競争制限行為にあたると指摘しているだけだ。
 そうは言っても夏物はプロパー販売期間が短く、少しでもバーゲンを遅らせたいと考えるのは合理性があるが、販売期間を確保すべく毎年のように投入が前倒されてGW前には新規企画商品が出尽くしてしまい、GW明け以降の投入は売れ筋の素材替えなど新鮮味のない値頃商品ばかりになってしまうのが実情だ。売れ筋の素材替え値頃商品は20〜30%程度定価を落とす事が多く、実質的なプレセール商品という性格が指摘される。GW明け以降の投入でも実質定価を保てるのは実需対応の機能商品やオケイジョン商品、雨の日商材やリゾート商材、晩夏リゾートのライフスタイル商品など、実需性と付加価値が備わったもので、これらはプレセールに出される事はないだろう。価格を通したければ、売れ筋を焼き直して追うのではなく、実需性と付加価値が備わった鮮度のある商品を投入すべきと思われる。
 5月から五月雨式にプレセールに入るブランドもあれば6月に入ってシークレットセールやファミリーセールを始めるブランドもある一方、館がバーゲンに入っても一週二週遅れてバーゲンを始めるブランドもあり、バーゲンを一切しないでアウトレットに持ち越すブランドもある。ブランドのポジションや販売政策で多段階にバーゲンが行われるのが実態で、業界がバーゲン時期を統一して遅らせても対象は大手アパレルなどに限られ、多段階なバーゲン時期という実態は変わらないだろう。元よりバーゲン時期は個別ブランド個別商業施設が政策的競争的に設定するもので、パリ市のように法律で制定しない限り全面的な統一は不可能だ。
 これを機会に各ブランドが販売政策を見直して独自のポジションを固め、値崩れしない鮮度ある商品展開を再構築する事こそ、プロパー販売比率の向上に繋がるのではないか。
 2012/05/25 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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