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失われた20年と誠実な商人
 今朝のNHKBSニュースで今更「失われた20年」などと死んだ子の歳を数えるような特集をやっていたが、業界に問われているのは「失われた20年」で退化したのか進化したのかではないか。
 最も典型的に退化したのが百貨店で、中産上澄み階級の崩壊に伴う市場縮小に加えて94年から98年にかけて業界ぐるみで歩率を8ポイントも嵩上げして百貨店アパレルの生産原価率を平均32%から24%に押し下げて中国製に転換させ、品質感や価値感を崩して顧客の離反を決定的にした。今や百貨店アパレルの原価率は20%の攻防になっており、お値打ち感など期待すべくもなくなった。百貨店と入れ替わるように急成長したユニクロは、グローバル生産体制を確立して38%という誠実原価率でお値打ち品を提供し国民的支持を得た。これが退化と進化の明暗であり、不誠実と誠実の結末なのだ。
 「失われた20年」で支持を伸ばしたのはお値打ち品を高原価率で提供する誠実な商人だったが、それはこれからの20年も変わらないだろう。一時は虚飾のブランディングで騙せても長期的な市場の支持は得られない。これからはファクトリーと顧客をダイレクトに繋ぐ誠実な商人が市場の支持を得て成長して行くに違いない。その分岐点は原価率で38%以上、ロス率で20%未満、営業経費率で26%未満だと私は考える。
 誠実な水準から乖離した事業者は悉く衰退し、世代交代が急進するのがこれからの10年間なのだ。本日夕刻に開催する「SPACビッグコンベンション」では、オンラインとオフラインが融合してトランスメディアとトランスパレントが当たり前になるO2O時代へ向け、改めて「誠実な商人」の在り方を提議したいと思う。
 2012/02/02 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール

小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。

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