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買い場には労苦と危険が伴う
 31日と1日は寒風の中、薔薇の整枝・誘引と元肥仕込みという農作業に終始し、新たにジョン・クレヤーと月月粉などを仕込んで春に備えました。GWには何百という薔薇が咲き乱れる美しい景観が見られる事でしょう。
 昨秋冬は魅力的な服が見当たらずクロージングは一着も購入しなかったので新春に着る服がなく、2日は意を決して初めて伊勢丹メンズ館のバーゲンに単身出かける事にしました。ところが、開店30分前に着いたにも拘らず駐車場は既に満杯で、メンズ館周辺は数千人の来店客で立錐の余地もなく、指示に従って並んで押し流されるうちに、家族が分断されたり子供が押し倒されたりと阿鼻叫喚の世界となり、さすがに恐怖に引き攣りました。それでも何とか入館してインポート・クロージングの買い場!に辿り着きましたが欲しい商品は一品もなく、這々の体で脱出してバーニーズへ転じましたが、ここでも欲しい商品は見つかりませんでした。面子を捨て危険を冒してまでバーゲンの買い場!に身を投じたにもかかわらずくたびれ儲けで、プロパーで気に入ったものがなかったのにバーゲンに期待した愚かさを悔やみました。
 イタリア物の上質クロージングはユーロ高ですっかり高くなり品揃えも限定されて選びようがなく、買うに買えない状況が続いています。かつては20万円前後で買えたものが20万台後半から30万台となり、よほど気に入ったものでないと購入に踏み切れません。セールで20万円を切れば買う気になるかもなどと思ったのが間違いでした。大して気に入らなくてもプロパーで買うには泡銭という感覚が必要ですが、当世の私の仕事は質実で泡銭という乗りはまったくありませんから、もうこの手のクロージング購入は諦める事にしました。
 バブル当時の円高が嘘のような昨今、日本はすっかり貧乏になってしまい、インポートマーケットは急激に縮小しつつあるようです。そんな中でも百貨店だけは高級化リモデルにひた走り、マーケットのクールな反応に冷水を浴びるケースが多いようです。百貨店が努力して売っているのではなく顧客が労苦を負担し危険を冒してまで買ってくれているのが実情で、買い場という言葉には百貨店の慢心と顧客の謂われなき負担を感じます。
 新宿から大山町の自宅に逃げ帰ったものの疲労と失望はあまりに大きく、直後から高熱を発して床に着き、腹痛も伴って4日の明け方まで苦しみました。『顧客が労苦と危険を負担してまで買う必要はない』というのが今回の教訓でした。もはや店舗小売という形態は買い場の労苦に見合わなくなっているのかも知れません。2月7日のビッグコンベンションでも、スタグフレーション局面に於ける店舗小売の限界とマルチチャネル・ショッピングのメジャー化がテーマになってしまいそう。
 2008/01/05 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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