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適正な評価を求めたい
 『MDディレクション』もテーマ別素材ボードが何とか仕上がり、スタイリング、カラーパレットと合わせてビジュアルが完成しました。各テーマの客層マップ上の位置決めも固まり、後は全体解説とグラフィック仕上げが残るのみとなりました。
 それにしても最近は素材ボードに占めるテキスタイラー提供新作素材の割合が低下し、過去のアーカイブや古着から構成する比率が高まっています。JCでも目新しい開発素材はあまり見当たらず、国内テキスタイル業界の開発力低下が指摘されます。ボリューム市場では中国や韓国の流通素材を使ったOEM商品が主流となり、ブリッジ以上の高級市場ではイタリア素材/糸を使った開発商品が際立つ現状を見る限り、日本のテキスタイル業界の開発力は回復不能な一線を割り込んでしまったように思われます。デニムや合繊プリントは競争力を保っているようですが、綿織物や毛織物にはかつての勢いは見る影もありません。
 欧州の素材背景と東欧や中東の生産背景を巧妙に組み合わせたZARAなどのモード系グローバルSPAの勢力拡張を目の当たりにすれば、国内大手SPAの長期戦略の欠如を責めたくなります。誰もZARAのような生産基地を国内産地に築こうとしなかったからです。このままでは中価格帯市場はモード系グローバルSPAに制圧され、国内テキスタイル業界は崩壊してしまうでしょう。
 彼等の野望を部分的ながら食い止めると期待されるのが日本市場特有のレイヤードカジュアルですが、国内ファッションビジネスとて必ずしも対応出来ている訳ではありません。この夏〜秋のワンピースレイヤードの爆発に対し、ポイントは夏商戦こそ対応出来ず大きく数字を落としましたが、秋商戦では合繊プリントに強いテキスタイルコンバーター系AMSと新たに取り組んで一気に数字を戻しました。これに対してライトオンは従来のジーニング軸単品構成を一歩も出られず、夏商戦に続いて秋商戦も深刻な低迷を継続しました。
 マーケットのウェアリング変化を逸早く捉えてMDと調達に反映する事が如何に大切か。この両社の明暗から学ぶべきでしょう。当社の『MDディレクション』はブランド別販売データとタイプ別スタイリング動向に基づいてマーケットのウェアリング変化を適確に捉え、グローバルなトレンドも加味して翌シーズンのタイプ別スタイリング動向を予測するもので、トレンド情報とは一線を画すものです。業界人の適正な評価を求めたいと思います。
 2007/12/17 10:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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