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都心商業施設開発ブームに警鐘
 都市計画法改正による開発規制強化で郊外SC開発が急冷却した09年以降、大型商業施設の開発は都心回帰が鮮明になったが、果たして消費は都心に回帰しているのだろうか。
 近年の都心商業施設開発は07年9月開業の銀座マロニエゲート、08年10月開業の梅田ブリーセーブリーゼ、09年3月開業の青山Ao、10年3月開業のみなとみらいコレットマーレなど、どれも成功とは言い難いし、10年9月増床開店した銀座三越も予算を割っている。大阪駅ステーションシティのルクアと大丸は好調だがJR三越伊勢丹は大苦戦しているし、大阪駅上への集中で周辺施設や心斎橋の売上は急落している。博多にしても駅上の阪急とアミュプラザが活況を呈している分、天神地区の落ち込みは深刻だ。都心既存施設の大半は売上が低迷しており、あの新宿ルミネさえ20ヶ月連続して前年を割り続けているし、ファッションビル大手パルコの11年2月期の既存店売上も96.3(衣料品は95.8)と低迷している。
 SC協会が発表している中心商業立地と郊外立地のSC売上前年比を較べても郊外立地が優位だし、当社で集計している首都圏都心商業施設とイオンモール系郊外SCの売上前年比を較べても郊外SCの方が明らかに好調だ。都心回帰現象はリーマンショック前には確かに存在したが以降の景気後退局面でブレーキがかかり、経済の萎縮と所得の減少もあって再び人口の郊外分散と消費の地元回帰が進んでいると推察される。震災以降は等身大志向と行動圏の萎縮が加速し、都心商業から郊外商業への消費移動も加速するのではないか。
 都心商業施設開発ブームは郊外SCの開発規制がもたらしたものであってマーケット変化によるものではなかった。萎縮するパイの奪い合いを否めず、必ずしも投資に見合う成果が得られないリスクが指摘される。開発規制の障壁は否めないものの、商業施設開発は再び郊外生活圏に転ずると思われる。
 2011/06/28 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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