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チャイナシンドローム
 と言っても原発事故とは関係のないビジネスモデルのお話です。『低い調達原価率で厚い値入れを確保し、宣伝費をかけて人気を煽り、期中値引きを連発して売上を稼ぐ』という商法は中国では一般的ですが、現地でそんなビジネスモデルを体感してイケルと感じた経営者が増えているのか、国内でも中国式のビジネスモデルが広がる兆候が見られます。そんな風潮を「チャイナシンドローム」と名付けてみました。
 SPAなのに調達原価率を30%未満(セール用商品など20%未満)に抑え、人気タレントを全面に押し出したテレビCMなどで人気を煽る一方、毎週のように「特別価格」などと打ち出して期中値引きを連発して売上を稼ぐ商法は、まさしく中国方式ですが、実は日本でも昔からあるビジネスモデルなんですよ。みんな大なり小なりやってる、あるいはやりたい商法みたいですネ。
 バブル華やかなりし頃、人気タレントや歌手をフィーチャーしたテレビCMで急成長した「ジョワイヨクチュール・マキ」の三貴グループを覚えている業界人も少なくないでしょう。ピークには宝石に加えて婦人服「ブティックJOY」や子供服「ファニィ」など1400店以上を展開し、年商1800億円以上にも達していたSPA企業でしたが、値引き販売の乱発が二重価格だと指摘されるなど何かと問題になる事も多かったと記憶しています。97年にはアパレル事業から撤退して宝石事業に特化したものの業績は悪化し続け、02年には債務整理して新会社に営業譲渡し事業を継続したものの、09年には民事再生法適用を申請して経営破綻してしまいました(現在も事業縮小して営業しています)。
 厚い値入れを取って二重価格で値引き販売する一方で宣伝費をかけて人気を煽る商法は『効率的な製販一貫ビジネスモデルで良品を廉価に供給する』というSPAの本質とは乖離しているとは言え、現実にマーケットに受け入れられブレイクしている以上、ビジネスモデルとして注視せざるを得ません。古典的な流通革命思想的SPA像に囚われる事自体がもはや時代遅れで、中国式ビジネスモデル?が日本でも成功する事を認めるべきかも知れませんネ。それだけマーケットは変わってしまったのでしょう(昔からそうだったという声もあるよ)。
 2011/04/21 10:42  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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