« 前へ | Main | 次へ »
調達戦略の転換はスローペース
 中国産地の一変で調達戦略は20年振りの転換を迫られているが、パニック騒ぎの割には業界の調達戦略は一変とまではいかないようだ。
 SPACメンバーの生産地アンケートを見ても、今年は中国シェアを平均一割前後低下させると考えているが、それでもアパレルメンバー平均は69%弱、リテイラーメンバー平均も55%弱にしか下がらず、突出したシェアは変わらない。アパレルメンバーでは南アジアシフト、リテイラーメンバーでは国内回帰が見られるが、前者は6.7ポイント増の11.5%、後者は4.1ポイント増の20.9%に過ぎず、一変というにはほど遠い。為替安と短納期メリットの大きい韓国を増やすという動きも見られない。これで中国産地の急変に対応出来るのかと心配になってしまう。ドラスティックな戦略転換を繰り返して来たユニクロでさえ、現在85%の中国生産シェアを徐々に70%まで落とすというペースだから、生産地の移転は時間のかかる難問なのだろう。ただし、国内生産回帰のペースはアパレルメンバーでは微増だがリテイラーメンバーでは25%近い伸びが期待されるから、産地の崩壊も崖っぷちで止められるかもと期待してしまう。
 同調達手法アンケートを見ても、アパレルメンバーでは『工場直接調達』と『自社工場生産』が計2.6ポイント、リテイラーメンバーでも『工場直接調達』が5.2ポイント増えるだけで、OEM/ODMは前者で平均28.4%、後者では同53.7%も残る事になる。これも遅々たる対応であって一変にはほど遠い。自社開発体制を確立するにはデザイナーやパターンナー、生産管理要員を揃えねばならず固定費の大幅上昇は避けられないし、工場のソーシングや生産仕様の擦り合わせにも時間がかかる。それゆえ徐々の転換とならざるを得ないのだろう。調達戦略の短期全面転換を決意している企業はまだ少数派なのかも知れない。それも春節明けのパニック次第で認識が変わるのではないか。半年後のサマーコンベンションのアンケート回答を見てみたいものだ。
 2011/01/28 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ