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国民と業界の失ったもの
 2月4日のSPACビッグコンベンションで発表する恒例のメンバーアンケートがまとまったが、それには長年続いた市場萎縮から抜け出せない悲観論が色濃く現れていた。20年近くも続いた衣料生産の中国依存とOEM/ODM依存の流れがようやく逆転し始め、衣料品価格も限りないデフレからインフレに転じようとする今なのに、メンバーのアンケート回答は羹に懲りて過去を引き摺りすぎているように感じられた。
 11年の家計消費はほぼ落ち止まると見ているのに、衣料消費に関しては縮小が続くという見方が圧倒的で、その平均水準は98.0と昨年下半期のペースを0.3下回っている。メンバー予測に従えばファッション係数は3.75%まで低下してしまうが、70年代前半は9%台、90年代前半でも7%台を維持していた事を振り返れば隔世の感が在る。国民のライフスタイルに占める衣料消費の地位は釣瓶落としに低下したのだ。それもこれも元凶は生産の中国依存とOEM/ODM依存による同質化がもたらす果てしなきデフレにあったのではないか。80年代までのブランドものや専門店の衣料品は皆、自社開発の国産品で、それぞれにこだわったキャラや味付けがあって、消費者もまたファッションへの憧れがあった。国民と業界の失ったものの大きさに胸が痛む。
 中国産地のコスト急騰やキャパ逼迫、綿花や羊毛の急騰で衣料品価格は92年以来19年振りにインフレに転ずると思われるが、メンバー回答はやや悲観的だ。紳士服こそデフレが止まると見ているが、婦人服は緩和するもののまだデフレが続くと見ている。それでも前年はインフレ予測が一社もなかったのに今年は七社に増えたのが印象的だった。コスト急騰も小売価格転嫁は難しいという悲観論が強いのかも知れない。
 中国産地の一変で注目される生産戦略については、明日の続きにご期待を・・・・・
 2011/01/27 09:24  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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