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ユニクロはユニクロらしく
 経済誌も業界紙もユニクロの業績不振を大きく取り上げているが、業績不振と言うより自分の土俵をはみだしたトレンドパクリのデザイン物やキャラクター商品などが剥げ落ちる過程と捉えるべきであろう。キャビンに続いての靴専門店からの撤退も、土俵からはみだした部分が剥げ落ちたと総括される。『ファッションではない誰でも着られる機能パーツとしての服』を標榜してグローバルSPAにまで伸し上がったユニクロだが、勢いに乗って何を勘違いしたか土俵をはみだしてデザイン物などで品番数を広げ、消化回転まで悪化させてしまったのは自業自得と言うしか無い。これを契機に原点回帰して自らの強みに磨きをかければ、新たな成長チャンスも開くのではないか。
 私はユニクロ本来の姿は決して嫌いではない(デザイン的に洗練されるならという条件付きだが)。今日もISAIAのドレスシャツの下にはヒートテックを着込んでいるし、冬場の軽井沢などヒートテックなしには過ごせない。私が嫌悪しているのは、調子に乗ってミーハーなトレンドに迎合し土俵をはみだす真摯さを欠いた行動と確固たるデザイン戦略を欠いた浮ついた商品企画や店舗デザインだ。産業革命からバウハウス、ポスト・ポストモダンと収斂されて行ったデザイン史の系譜に乗ってミニマルな機能美を追求すべきを、軽い乗りで子供っぽいトーキョー感覚を売り物にしたりファストなトレンドをパクッてみたりと、ここ数年のアクションには目を覆うものがあった。それは柳井さんが崇拝するドラッカー氏が繰り返し警示した『真摯な経営』を逸脱するものと言わざるを得ない。
 私がユニクロに望むのは原点から逸脱しない真っ直ぐな経営行動であり、どこまでも真摯なアクションだ。それは社会学的理念に基づく一貫したデザイン戦略や組織運営に象徴されるものだと思う。IKEAや無印良品を引き合いに出し、その経営行動をあるいは評価しあるいは真摯さを欠く浮ついたものと批判するのはそんな観点からなのだ。安くてもミニマルな機能美が敬愛される商品や店舗をどうして創れないのだろうか。その要因は社会学的理念と真摯さの欠落にあると言ったら柳井氏はなんと反論するだろうか・・・・
 2011/01/17 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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