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テナントミックスのマトリックス表
 ローカルのリージョナルモールを検証してテナントミックスの改善を提案する仕事があり、九月初めに一泊で現地調査を終え、テナント別売上報告書や来店客調査報告書などを参考に改善案を組み上げ、このほど作業が一巡した。
 テナントミックスの検証で基本となるのが実勢商圏のニーズと該当施設の競合ポジションで、商圏顧客が該当施設に何を期待しているのか割り出す事からスタートする。今回の場合は商圏内にリージョナルモールは該当施設ひとつしかなく、他は足元依存のCSCやパワーセンターばかりだったので、競合ポジションは明確だった。とは言え該当施設のテナントミックスは90年代中期の開設時点からあまり進化しておらず既に魅力を失ったテナントも多く、何より顧客と業種のマトリックスから検証すれば欠落や重複が目立っていた。
 顧客と言えば世代だけで見がちだが、世代毎にどの程度の質感や価格を求めているかを見極める必要があるし、業種と言っても現実は細分化されている。眼鏡店を例にとれば、ブランドフレームを品揃えするセレクトタイプ、オリジナルフレームを揃えるSPAタイプ、幾つかのパッケージ価格を打ち出すプライスラインタイプの3タイプがあるし、前二者には高級タイプとプロモーショナルタイプがある。リージョナルモールの場合はこの3タイプすべてを揃えないとニーズを取りこぼしてしまうが、それぞれどのプライスポジションのテナントがマッチするか、商圏特性や来店客調査などから見極める必要がある。同じように化粧品店も、ブランドの美容部員が張り付いた専門店タイプ、ドラッグコスメを揃えた大型バラエティタイプ、医薬品も揃えたドラッグタイプ、ナチュラルコスメのブランドショップなど、幾つかタイプがあって、それらをどう選択して配置するのかが問われる。
 こんな作業をいちいち積み上げたのでは時間がかかるし、欠落や重複も生じてしまう。だから当社では毎年、客層と細分化された業種のマトリックス表を郊外SC版とターミナルビル版に分けて作成し、それぞれ2000を超えるテナントをリストして一覧出来るようにしている。これに該当施設のテナントをポジションして重複と欠落を探し、実勢商圏のニーズと競合ポジションから割り出した方針に基づいて新規導入テナントや退店テナントをピックアップしていく訳だ。毎年、テナント情報を更新してマトリックス表を書き換えるのは大変な作業だが、これさえ出来れば個別商業施設の作業はスイスイ進む。SCのテナントミックスには科学的手順が不可欠なのですよ!
 2010/09/28 08:54  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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