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リアルマインド
 新ブランドが立ち上がる度に店頭をチェックするようにしているが、仕掛けは上手いのにリアルマインドが欠けるブランドに落胆させられる事が多い。タレントやモデル、ブロガーの○○子さんを前面に出して共感する若い娘たちを惹き付ける仕掛けはなるほどと思うけど、肝心の商品が素人の後出しじゃんけんの域を出なかったり、OEMやODMが剥き出しでキャラが薄々だったりしてお育ちが知れてしまう。これではマスコミに載って初めは注目されても、商品に納得して固定客になる人が限られ、やがては先細っていくしかない。そんな新ブランドばかり見ていると、諸行無常な川面に佇んでいるような空しさに囚われてしまう。
 私がガーンと頭を叩かれたり愛しさにスリスリしたくなってしまうのは、頭でお利口に策を弄したブランドではなく、誰かがリアルマインドで入れ込んだブランドに接した時だ。経営者なのか現場責任者なのかを問わず、誰かが本気で企画から仕様開発、生産管理、店頭の陳列表現まで突っ込んだ商品は異彩を放つ。どんなに大仕掛けでトップが旗を振っても、誰もリアルマインドで突っ込まなかったブランドは空蝉でしかない。新規投入されるブランドの10個に9個は空蝉で終わり、一つか二つのブランドだけがリアルマインドの真剣さに輝いている。そんなブランドに出会うのが一番の楽しみだ。
 リアルマインドとは組織を貫徹するこだわりや理念のようなもので、どんなに優れたクリエイターを起用しても、どんなに優れた経営者が指揮しても、組織のトップからボトムまで意思が貫徹されない限り、リアルマインドな商品もブランドも生まれはしない。突出したビジネスモデルやフォーメーションを組んでも、上っ面に終わってはリアルマインドは形にならない。様々なプロジェクトに関わる日々、誰がリアルマインドを貫徹するキーマンたりえるのか、幹部一人一人の人物と信念、周囲を巻き込んで行くエネルギーを見抜こうとしてしまう。その一人を確実に見いだし、彼のおぼろげな信念を組織を貫徹するリアルマインドに論理武装させるのが私の役割なのだろう。
 2010/09/24 08:50  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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