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新生三越銀座店は期待を裏切った
 昨日は朝から三越銀座店のプレスプレビューに出かけ、その報告レポートの作成と写真整理に夕刻までかかってしまいました。そんなに手間かける価値があったかと言うと、まったくの期待外れでしたが、何せ3万6000平米もあるのですから、取材も写真整理もそれなりの手間を要したのです。何処が期待外れだったかと言うと、以下の三点に尽きるでしょう。
 1)土一升金一升の世界的一等立地にしてはスカスカのMD構成で、とりわけ8〜10Fの異様なスカスカぶりには唖然とさせられた。こんな一等立地で凡庸なリビングや子供服にこれほどの面積を割く必要があったとは到底思えないし、やるならやるでもっとインパクトのあるブランドを詰め込むべきだったでしょう。ただっ広い空間に農協食堂がでんと居座る9Fの銀座テラスなど、いったい誰の金で商売しているのかと怒りを禁じ得ませんでした(株主よ怒れ!!)。
 2)アジアの富裕層を狙える超一等地なのにMDも内装も東京ローカルに留まり、千載一遇のチャンスに背を向けている。伊勢丹流の編集や統一環境を取り入れているものの、いずれの編集売場も凡庸なブランドコーナー編集に留まり、「リ・スタイル」的なテイスト編集やセレクトショップ的なリミックスはまったく見られない。東京セレクトブランドからインターナショナルなクリエイターブランドまで結構旬なブランドを揃えたものの、技術の伴わない中途半端な伊勢丹流編集のせいで個々のブランドのキャラが見えず(ブランド指名買いのアジア観光客には買い難い)、中国人富裕層好みのブランドも導入されず、総じて小洒落た東京のローカル百貨店に終わっていた。
 3)アジアの超一等地なのに店舗デザインに目を惹く豪華さがなく、内装素材や仕上げの安っぽさが目立っていた。伊勢丹流統一環境をこなしきれずに平場っぽい抜け感ばかりが目立ち、ラグジュアリーブランドも平場に押し込まれてキャラが立たず、目を惹くフォーカルウォールや大仕掛けのVPもなく、しょぼい郊外百貨店のように見えた。予算を削ったせいか床材や什器素材の安っぽさや仕上げの手抜きが露骨に見え、最近の中国や韓国の豪華絢爛な百貨店を見た目にはホントにしょぼく見えた。これではアジア富裕層には通用しませんよ!!
 総じて伊勢丹流が上っ面に終わって華のない東京ローカルのローコスト百貨店に留まっており、広くアジアの富裕層を狙う最高峰の百貨店という業界の期待とは大きく乖離している。衰退する国内市場の枠を超えるアジア広域百貨店として百貨店復権の契機となると期待されていただけに、失望はあまりに大きい。三越のお公家さん達に任せず、もっと伊勢丹主導を徹底すべきだったと悔やまれる。
 2010/09/09 10:05  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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