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VMDの奥義を伝えたい
 VMDにはロジスティクス・マネジメントという物理的な側面とブランディングという美術的な側面があります。商品を計画的に投入・陳列して計画的に販売・消化していくために、陳列アドレスを移動したり在庫を再編集してフェイスを回転させて行くという極めて物理的な側面の一方、ブランドの訴求するライフスタイルやカルチャーを繊細なスタイリング提案と洗練されたカラーリング、生け花にも通ずる韻律の陳列フォルムで表現するという美術的な側面があるのです。
 どちらもVMDの本質ですが、それを理解し洗練された物理的・美術的技法をもって実務を取り仕切る人材に、私は少なくとも日本国内で逢った事がありません。業界で名を馳せる若手プロデューサーの作品も、デジタルに感性を圧縮された若者に媚びるアニメ的なお遊技ばかりで、物理的なシステム整合性も美術的な洗練も見出せません。ユニクロのVMDなど、金型で量産された安手のプラスティック玩具を色盲的センスで機械的に並べた倉庫陳列にしか見えないのです。
 世界中の店舗を見て来ましたが、前述したどちらかの側面を実現している店舗はあっても両面を実現している店舗は極めて稀で、ある瞬間では実現しても他の時点では崩れているのが大半でしょう。それはVMDの奥義を一握りのエリートが握っているだけで、現場に技法を伝えていないからです。売場は商品を消化回転させる場ですから、一瞬たりとも止まってはいません。だからこそ、売場スタッフに奥義を伝えて日々の情況に即したVMDを実践させないと成果は得られないのです。あまりに必然の理なのですが、残念ながら本気で企業文化に定着させようとする企業は見た事がありません。
 私が20代から30年以上かけて極めたロジスティクス・マネジメント手法と美術的ブランディング陳列技法を後進に伝えたいと毎年、両面のそれぞれに立脚したセミナー(『再編集陳列ロジスティクスVMDゼミ』と『ブランディングVMDゼミ』)を開催していますが、残念ながら理解が拡がっていく気配は感じられません。アニメ的に感性を圧縮されて行く若者に、いったいどうこの奥義を伝えたらよいのでしょうか・・・・
 2010/02/23 09:03  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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