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ユニクロどころの騒ぎじゃない!
 消費不振とデフレが続く落日の日本ではユニクロとファストSPAだけが気を吐いて旧世代の事業者が凋落する構図が顕著ですが、そんな‘種’の交代劇はファッション業界だけではないようです。先進国市場が縮小して途上国市場に主戦場が移り、HVが急速にメジャー化してEVへの‘種’交代が迫る自動車業界では、内燃機関構造を前提とした垂直系列生産でコストが高止まりした先進国メーカーが壁に当たり、現地部品メーカーとの水平分業による格段の低コスト生産で急成長する途上国メーカーやEVならではのパソコン的ファブレス生産で台頭するベンチャーメーカーが注目されています。
 垂直系列生産によるコストの高止まりで壁にあたっている好例がトヨタ自動車であり、このままではGM的没落さえ囁かれています。キーデバイスたるリチウムイオン電池の低コスト自社生産と水平分業生産で急成長し09年には中国市場第8位の自動車メーカーに伸し上がったBYD社は『電気自動車時代のインテル』を標榜し、ファブレス生産で高性能EVスポーツカーを売り出した米国ベンチャー企業のテスラ・モーターズは『電気自動車のアップル』と評されています。3年もすれば自動車業界の構図は一変し、‘種’の交代劇が現実のものとなるでしょう。ホント、ユニクロどころの騒ぎではありませんネ!
 ファッション業界ではユニクロは突出した勝者のように思われていますが‘種’としては旧世代に属しますから、急激な暗転がないとは言えません。ユニクロは水平分業が一般的だった衣料品業界にSPAという垂直統合志向を持ち込んで急成長したわけですが、それはガラパゴス的高品質神話が染み込んだ日本市場での革新であり、品質神話が通じない途上国市場では垂直統合生産ゆえのコスト高に足をとられ、品質にこだわらず水平分業に徹して低価格を追求するファストSPAや低価格SPAに市場を奪われるリスクが指摘されます。巨体になり過ぎた旧世代の‘種’が辿る運命は皆、似たようなものですよ。
 2010/01/26 09:26  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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