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急冷化でMD展開が一変?
 先々週末の14日(土)から急冷却して例年より5度も低い11月下旬並みの寒気が続いているが、これが暖冬に慣れたアパレル業界のMD展開カレンダーを混乱させている。
 例年なら10月中〜下旬は梳毛や綿混の秋物売り切りから紡毛や中綿の冬物実売へというサイクルのはずだが、急な寒気で通常は11月中旬から展開するパステルカラーの起毛梅春物が一気に‘狂い咲き’して売場がフワッと明るくなった。もとより梅春物の先出しを計画していて逸早く投入できた店頭ばかりではないから、従来型の季節進行でMDを組んでいた多くの店頭は一気に陳腐化してしまった。
 台風一過の今週は例年並みの気温に戻っても、その先にも寒気が張り出すサイクルが予測されており、一旦梅春気分になったシーズン感覚が元に戻るとは思えない。取りあえずは寒気に合わせてパステルカラーや起毛の梅春商品を在る限り全出しして拡張陳列を仕掛け暗色の冬物を圧縮するしかないが(シーズン強制シフト)、梅春商品を先行して手当てしていなかった店はどうしようもないし、手当て出来た店にしても気温が戻ったからと言って冬物体制に戻すわけにもいかず、販売期間が吹っ飛んだ冬物在庫は行き場を失ってしまう。一ヶ月も早い寒気の到来は関東以北の現象だから関西以西に商品を移動するのが常識的な判断だろうが、それでも相応の滞貨と値引きロスは免れないだろう。
 10月17日までの百貨店や大手アパレルの売上推移を見る限り、紳士服では防寒アウターの先買い需要による押し上げ効果が顕著に見られるものの、婦人服は9月から横這いで押し上げ効果は弱い。株価が連騰して高額消費が回復する中、アパレル販売の回復に水を差す‘花冷え’を招くのか、はたまた防寒アウターや明るい梅春物の先行需要が販売を押し上げるのか、取りあえずは後者だと思うが、先食いされた11月下旬からの年末商戦に不安が残る。
 バブル期まで12月商戦を華やかに盛り上げた「梅春期」もデフレの四半世紀のうちに冬物売れ筋の二次投入に予算を取られてすっかり衰退してしまったが、アベノミクスの14年頃から復活が始まり、‘フワモコ’トレンドや昨年の寒冬で一気に前倒し投入されるようになった。今シーズンは「梅春積極組」と「冬物引っ張り組」の明暗を決定的に分ける分岐点になるのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/10/24 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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