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焼却は最良の処分方法だ!
 H&Mがデンマークで毎年、12トンほど売れ残り衣類を焼却処分している事がTV報道されて『サスティナブルなブランドという謳い文句と違うじゃないか』と非難されているそうだが、なんで非難されるのか理解に苦しむ。焼却は一番、誰にも迷惑をかけない処分方法だからだ。
 グローバルなアパレルチェーンの中でもH&MはGAPに次いで値引きロスが大きく、総投入額対比のロス率は多頻度小ロットの一蒔きに徹するZARAの倍以上に及ぶと推計されるが、値引き販売しても売れ残った商品がどう処分されているかは不透明だった。それが焼却処分されているとしたら、顧客にとっても業界にとっても良報だ。
 年間12トン?という数字は我が国の売れ残り衣料品の年間輸出量24万トンと較べるとあまりに少なくてデンマーク国内分(H&M社売上の2.46%)だけだと思うが、それでもオフプライス店などへ横流しされたりリユースへ回ればプロパー販売を圧迫し真っ当に買った顧客を多少なりとも裏切る事になる。焼却は全額減損に焼却費までかかるが誰にも迷惑をかけずブランド価値を傷つけない最良の処分方法で、かつての高級ブランドではジョーシキだった(今日では多くのブランドが公然とアウトレットで処分している)。それでも『サスティナブルじゃない!』と言って非難するのは‘不寛容’に過ぎるのではないか。
 80年代と較べれば新品市場が15%にまで萎縮した呉服業界など『流通在庫11年分、箪笥在庫100年分』とまで揶揄され、現実に小売販売額の11.5%(矢野経済)をリユース品が占めて新品販売を圧迫しているが、メルカリなどの急拡大でリユース品が購入点数の18.4%(2.4億点/日本リユース業協会)を占めるまで来たアパレル業界も遠からず大差ない情況に追い込まれるやも知れない。これ以上、流通在庫や箪笥在庫が積み上がってリユース流通が肥大すれば新品を定価で購入する方がマイナーになり、ギョーカイが悔い改めて廉価良品を提供するようになったとしても(そんな事は望み難いが)、もはや正価販売の復興は望めなくなる。
 と言う訳で、アパレル流通正常化のため、呉服業界のように手遅れにならないよう、流通在庫の焼却処分に助成金を支給しては如何だろうか。「ものづくり」という供給面ばかり支援・助成して流通在庫を増やすより合理的だと思うが・・・・・

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/10/17 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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