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余計なマッチポンプは迷惑です!
 スポーツ庁が「スニーカー通勤」を推奨するとかで、「ノーネクタイ」「クールビズ」などに続きビジネススタイルのカジュアル化が一段と進む事になりそうだが、紳士服業界に続いて紳士靴業界も行政の迷惑な横槍に苦労が深まりそうだ。
 靴市場総体は衣料品のように大きく萎縮している訳ではないが、スニーカーやスポーツシューズ、トレッキングシューズが伸びる一方、ビジネス用の革靴は衰退の一途で、家計支出調査では92年から16年にかけて紳士靴は64掛けに縮小している。そんな苦境下、行政が旗を振って「スニーカー通勤」を推奨するというのだから紳士靴業界は‘泣きっ面に蜂’の大迷惑とお察しする。かつての「クールビズ」でもシャツ業界は振り回されるだけで何も良い事はなかったが、「スニーカー通勤」は退潮するビジネス革靴に決定的なダメージとなるかも知れない。
 6年越しの‘ノームコア’でスタイリングはすっかり緩くなって一段とカジュアルになり、メンズでもレディスでもブルゾンやジャージジャケット軸の‘ビジカジ’が広がって、スーツやセットアップはリクルート中の学生やフレッシャー、金融や法務、営業など特定の職業に限られるようになった感さえある。パートや契約社員など非正規雇用者の通勤着は当然、スーツやセットアップではないし、パートやアルバイトならジャージにブルゾンを羽織る‘アスレジャー’でも十分だろう。アパレルや小売の業界にいると、仕事で会う方々の大半は管理職や役員でも‘ビジカジ’どころかベタベタのカジュアルで、スーツ姿は百貨店や大手アパレルの管理職か紳士服屋さんに限られる。
  ‘ビジカジ’やほとんどベタなカジュアルで通勤している人々は行政が旗振るまでもなくスニーカー派だし、スーツ姿の営業マンとてスニーカー底の‘ビジネススニーカー’が常識となりつつある。もはやカチっとしたスーツ姿に革靴というビジネススタイルは特定の職業か相当に拘った好みを意味するものとなっており、わざわざ行政が「スニーカー通勤」の旗を振るまでもない。
 国民の血税を使って苦境の業界を弄ぶスタンドプレイはもういい加減に止めてほしい。各省庁がバラバラに規制と助成、持ち上げたり追い詰めたりのマッチポンプは迷惑です!

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/10/02 10:33  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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