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店頭は「情報格差」解消の場
 ヤフーファイナンスのサイトに『Amazon出身者が語るファッションビジネスの未来 TOKYO BASE高橋×STYLER小関』という対談が載っていたが、『ECで売れるのは売り手と買い手の情報差のない商品』『だから店頭での接客が不可欠なんです』というやり取りが目を惹いた。当たり前といえば当たり前だが、Amazonのメンズファッション・マネージャーからTOKYO BASEに転じてEC比率を30%から35%に引き上げた高橋氏と同じくAmazon出身の小関氏のやり取りだからリアリティがある。
 STYLERの小関氏は「売り手と買い手の情報差」を「情報の非対称性」とも言っていたが、マーケティングで典型的に使われる表現だ。それをわざわざ取り上げたのはファッションビジネスが行き詰まった根源的要因だと思うからだ。
 ファッションギョーカイの人々は自らを一般エンドユーザーより格段に高感度で情報が早いと思い込んで来た嫌いがあるし、そんな「情報の非対称性」が付加価値を生む事をどこかで体感した「成功体験」が染み付いている。ゆえに「クリエイション神話」「ものづくり神話」を次々と繰り出して「非対称性」を高めようと勤しむのだが、それが逆に顧客を遠ざける事もある。「非対称性」は両刃の剣なのだ。「非対称性」を高めるべきか解消して顧客に近づくべきか、迷う事もあるに違いない。
 ネットの世界ではSNSで「非対称性」を広げたり縮めたりというマッチポンプを繰り返して情報を拡散し、ECでは‘ささげ’とAIを駆使して「非対称性」の解消に努め購入の決定を促すが、最終的に情報格差を解消するのは‘現物’と店頭だ。ECの第一線で活躍してきた人物がそう喝破しているのだから店舗販売も捨てたものではない。店舗販売を物流作業の‘蟹工船’に堕落させず、「非対称性」解消の場と位置づけてVMDや接客のレヴェルを高めるべきだという警鐘と受け取りたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/09/26 09:17  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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