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客数型から客単価型へ
 山中健さんがアパログで『行く店・来る店・さばく店』と題して顧客商売から流動客商売までアパレル店の買上げ率は25%以上から5%未満まで大差があると指摘していたが、少子高齢化が加速しECに消費が流れて追い詰められる店舗販売が何時までも客数で売上を稼ごうとしているのには違和感を感じざるを得ない。
 客数は立地に相関し価格に逆相関するから、好立地で安く売って客数を稼ごうとすると不動産費負担が収益性を圧迫してしまう。実際、駅ビルなどの好立地で客数で販売効率を稼いでいる大手セレクトやSPAチェーンの不動産比率は売上対比17〜19%にも及ぶ。これに対してBC級立地で少数の顧客に‘高く’(高客単価)売っている店はその半分前後の不動産費負担で済んでいるケースが少なからず見られる。前者が商業施設デベを儲けさせているのに対し、後者は自分が儲けているのだ。
 客数の少ないBC級立地で高客単価商売が成り立つのかと疑う方もあると思うが、接客時間をたっぷりかけてパーソナル対応するアンチエイジング化粧品や矯正下着では決して珍しいケースではない。一等地で高い家賃を負担して低単価×多客数で売上を稼ぐバラエティドラッグ型コスメストアよりBC級立地の安い家賃でバラエティドラッグ型の数倍〜十倍もの客単価で売上を稼ぐコンサルティングサロン型コスメストアの方が遥かに収益性は高い。
アパレルでもパーソナルオーダーの洋装店やパーソナルにフィッティングしてお直し販売するプレタ店など、商店街の外れや住宅街の入り口の限られた客数でも十分に食って行ける。実際、ECと連携するパーソナルオーダーのショールームストアが表通りの一等地や駅ビルのファッションフロアに位置する必要が在るとは到底思えない。パーソナル対応とオムニチャネル化は客数×客単価のジョーシキも立地戦略も変えて行くのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/09/01 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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