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ヤングブランドが不安定な理由
 当社では毎シーズン、4300余のファッションブランド(ウィメンズ/メンズ/キッズ/インナー/服飾雑貨/ジュエリーアクセサリー/コスメ)を位置付けた「ブランドツリー」を作成し、多店舗を展開している900近いブランドについては毎月の売上を検証してマーケットの変化を追っている。そんな検証を20年以上も続けていると、ブランドのライフサイクルやマーケティング戦略の成否、好不調のサイクルも見えて来る。
 ヤング向けブランドの好不調を見ていると、好調期間はせいぜい2〜3年で、その反動の不調期間は3年では済まず、そのまま凋落してしまうブランドも少なくない。かつての109系の好不調サイクルは3年だったが、今日の原宿系などでは好調期間が縮まって不調期間が長期化している。その一方、キャリアやミセス、コンテンポラリーやアダルトのブランドは好調期が倍以上長く、その反動も穏やかで長く人気を保つブランドが多い。その要因として考えられるのが以下の二点だ。
1)マーケットが薄く変動し易い
 世代人口が厚く年齢の幅もある大人層(団塊ジュニア以上)に比べて若年層は世代人口が薄く数年で通過してしまう短期市場のためマーケットが格段に小さく、トレンドや需給の変化で大きく変動してしまう。短期的にも長期的にも縮小が進んでいる事に加え、近年は「ジーユー」のような大型ブランドが参入して需給関係を一変させるようになり、中小ブランドの業績は大きく振り回されている。
2)流動性が高く顧客化しない
 大人層はトレンドより自分にあったテイストやフィットを重視するから一度ブランドを気に入ると固定客化する傾向が強いが、若年層は自分の好みが未確立でトレンドに流され易くブランド支持も熱しやすく冷めやすい。加えて就職や生計の独立などライフステージが数年で変化し若者を‘卒業’してしまうから、ブランドからも卒業してしまう。
 
 とは言え、若者に支持されて成長したブランドが長く人気を保つケースも決して少なくない。そんな長命ブランドに共通しているのは無理に若返りを志向せず、元々のテイストは保ちながらも顧客の成熟に伴ってフィットや素材感、販売環境などを大人シフトし顧客とともに成熟している事だ。若者ブランドがいつの間にか母娘ブランドに変貌しているなどその好例で、無理に若返りを図って顧客を失うより賢明な選択だったと言えるだろう。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/07/25 09:56  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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