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インバウンド消費と買い出し消費 
 一時の‘爆買いブーム’は去ったとは言え、再びの円安基調もあってインバウンド消費が復活している。15年頃の‘爆買いブーム’とは異り、『高級ブランド品から化粧品など手頃な消耗品へ』『東京都心から関西や北九州、リゾートへ』『モノからコトへ』と変化したとは言え、1〜6月の上半期で全国百貨店売上を4.3%下支えしている。
 先週の木金と開催した月例の『販売データ交換会』では都内主要百貨店や関西の有力百貨店、セレクト大手やカジュアルチェーン、ファッションビルやファッションECモールの担当者が一堂に会して最新の販売動向や売れ筋情報を発表し合ったが、幾つか興味深い傾向が伺えた。
 インバウンド消費については銀座や新宿の回復もともかく関西、とりわけ大阪市内百貨店の伸び率が五割増、六割増と半端無く、インバウンド売上比率も銀座両百貨店の水準(両店平均で6月は21%)にはまだ遠いものの、有力店は二桁に迫っている。東京の繁華街は一時ほど外国人で混雑しなくなったが、心斎橋筋あたりでは外国人観光客が溢れて日本語は掻き消されてしまう勢いだ。
 繁華街の出店情況に詳しいCBRE社によれば、高騰する都心路面店の家賃負担力も出店意欲も一番高いのはドラッグストアで、心斎橋筋でも急増しているそうだ。心斎橋筋に較べれば銀座界隈は高級ブランド店ばかりでドラッグストアが限られ、インバウンド消費の実態と乖離している感がある。格好付ける東京と実を取る大阪の違いなのだろうか。
 インバウンドもともかく、都心商業施設やECモールでのブランド別売上を見ると、地方や郊外の店舗が大きく減っているブランドが伸びているケースが目につく。地方や郊外で買う場がなくなってブランド難民化した顧客が都心店やECモールに流れているのだ。勢いに乗って店を増やしているブランドより店舗網が萎縮して顧客が集中するブランドの方が都心の商業施設やECモールでは売上が伸びるという、大量閉店時代ならではのアイロニーが悲しい。海外からのインバウンド消費もともかく地方や郊外からの‘買い出し消費’にも注目したいものだ。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/07/24 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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