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顧客も現場も見えなくなったのか!
 バーゲン後倒しのゴリ押しもアパレル氷河期の前に潰えたかと思っていたら、ルミネと三越伊勢丹だけはまだ固執している。三越伊勢丹は7月12日から、ルミネは昨年より二週間も遅らせて7月28日からだそうだが、他の駅ビル・ファッションビルは7月1日から、他の百貨店もラグジュアリー系の指針となるギンザシックスも6月30日から、郊外・近郊SCは6月23日から、ECやファミリーセールはさらに先行、という現実の中でいったい何を考えているのだろうか。
 他でバーゲンになる夏物を一旦引き揚げてプロパーの秋物や晩夏物を投入し、後倒しバーゲン前夜にプロパー品を引き揚げて再び夏物バーゲン品を運び込むという二重三重の労働、書き入れ時にバーゲン玉を2〜4週も倉庫で寝かさせるという不合理は「優越的地位」なくしては到底強いれるものではないし、顧客にお預けを強いるのも‘顧客ファースト’とは言い難い。
 三越伊勢丹は社長更迭というクーデター劇を経て「顧客と現場を見据えた経営」に変るものと期待されていただけに、前社長が固執したバーゲン後倒しを継承した事は後継経営陣の刷新意志を疑わせるものだ。
 さらに始末が悪いのがセレクト業界に定着した「顧客差別多段階バーゲン」で、昨年12月19日の『差別されちゃいました』、同27日の『顧客は‘管理される羊’なのか』と二度に渡って警鐘を鳴らしたにも拘らず、今夏バーゲンも何ら反省無く継続する神経には驚く他は無い。
 三越伊勢丹にせよ大手セレクトにせよ、実務運営の非効率な仕組みや旧式化したスキルを刷新しないまま、見栄えのよいクリエイションやIT、ECやベンチャー事業に流れ、顧客と現場から乖離した経営感覚が組織を疲弊させ顧客を離反させて収益力を蝕んでいる。現場は『天空の星ばかり見て地上の星が見えていない』と嘆いて沈滞し、消費者は『買わない』という消極的な意思表示しか出来ない。それがギョーカイを殺している本当の構図なのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/06/27 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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