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三社が競ったZARA特集
 ZARA(INDITEX社)が日本のプレスを本社に招いて自ら秘密のベールを公開したプレゼンテーションから一ヶ月。主要ファッション誌に加えてWWDジャパン、繊研新聞、日本経済新聞が招かれたと聞いているが、先週月曜から金曜にかけてその三社の特集記事が出揃った。骨子は先週火曜のブログにまとめたが、新たに報道された内容と三社の記事の相違について触れておきたい。
 新たに報道された内容は以下の二点。
1)デザインセンターのウイメンズ/メンズ/子供と分かれた各フロアは、中央に各国を担当するカントリーマネージャー、その左右をデザインチームと生産・調達チームが挟む配置で、各国の市場特性と販売動向をタイムリーに捉えたカントリーマネージャーがデザインチームの提案する企画サンプルに要望を加えスクリーニングして、通った企画を生産・調達チームが手配する。
2)各シーズンの先行企画は3〜4割程度、6〜7割は引き付けた期中企画で、それぞれ別のデザインチームと生産・調達チームが担当する二陣体制。 
 WWDジャパンと繊研新聞で食い違うのが一型当り生産ロットで、前者は『一型数千枚程度』、後者は『1デザイン1色1万5000〜2万点が平均的』と報じ、日経MJはロットに触れていない。繊研新聞は『昨年度、インデイテックスが販売した商品は5万品番の11億7700万点。ZARAはそのうち2万品番』と報じているから、単純計算では全社ベースの一型当り販売点数は23,540点になる。
 ZARAの店頭MDやECサイトを見る限りデザインものの大半は1色/2〜5サイズ、ベーシックトップスは2〜4色/2〜4サイズ、ベーシックボトムは2〜3色/4〜6サイズだから、デザインものはZARA全2213店の6割が発注するとして一型8,000〜11,000点、ベーシックトップスやベーシックボトムは8割が発注するとして一型4〜6万点、と商品性格によって異なると推察される。ZARAの年間2万品番の平均販売ロットがINDITEX全社平均と同じ23,540点となるにはデザインものが66%強/ベーシックものが34%弱の型数比率になる計算だが、店頭で見る限りデザインものの比率は8割はあるから、ZARAの平均販売ロットは1万8000点前後と推計したい。
 2213店舗で1万8000点なら単純計算で1店あたり8点強に過ぎないから徹底した一蒔き売り切りだ。近年の南アジアシフトで無理にロットを増やして残品の山を作ったアパレルチェーンなどZARAの‘爪の垢’を煎じて飲むべきだろう。難しいことは言わない。ZARA並みに色数を絞って、デザインものは4週、ベーシックものは8週で売り切れる量しか調達しないと割り切れば残品の山は見なくて済むのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/05/29 09:22  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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