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使い捨てか使い回しか
 「ZARAの秘密」というか理解に苦しむ‘不思議’がRFタグの使い回しだ。全面導入が進むファーストリテイリングなど直近は「使い捨て」が主流なのに、なぜかINDITEXは「使い回し」でEAS(万引き防止システム)チップのカバー内に収納している。
 IT関連はドッグイヤーに日進月歩だから、数年前は百円以上(受信能力や書換回数など機能で異なる)もしたRFタグも大日本印刷が『2020年までに5円以下、2025年に1円にする』と打ち上げる段階に至り、億単位で使うユニクロでは10円を切っているはずだ。RFタグの書き換えは可能だが技術的に複雑になって単価も高く、INDITEXが使用するものは「300円」と推察されている。それでも「使い回し」を選択した理由は素人には推測しかねていたが、TENTACの中野さんから‘なるほど’という見識を伺った。
 それによれば、『2010年頃まではRFタグはまだ高価だったが、書き換えが技術的に手間取る上、近年は急速にコストが下がって使い捨てに移行していった。使い回しと使い捨ての違いは導入決定時期の相違によるものではないか』との事。他にもRFIDとバーコードの運用の違いについても貴重な示唆を頂いた。
 『バーコードは「単品管理(SKU)」であって「絶対単品」の認識ができず、二重読み取りや読み取り漏れが避けられず精度が疑わしいが、RFIDは「絶対単品」(同一SKUの個々)を認識してトレーサビリティが高く、多重に読み取ってサーバーで「絶対単品」を識別処理する仕組みだから重複も漏れもなく精度が高い。精度も作業効率も効能もバーコードとは桁違いで、タグ価格の急速な低下もあってバーコードからRFIDへの転換は急速に進むのではないか。但し、RFタグの書き込みはバーコードのように簡単でなくエンジニアのサポートが必要で書き込み機器も高価だから、生産工場など取り付け場所へタイムリーに供給するタグメーカーの書き込み拠点が不可欠だ。』との事。
 中野さんはワールドで百貨店営業からニット製品の生産、大型店の運営を歴任してアパ産協でRFIDの普及に尽力された方だから、現場のリアリティもコスト意識も確かでお話も面白い。百貨店後方の実態など、改めてお勉強させて頂こう。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/05/24 09:56  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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