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絶好調のバッタ屋さん
 先週末は大阪まで足を伸ばし、「ガイアの夜明け」など経済番組でも度々取り上げられている絶好調のバッタ屋さん、株式会社Shoichiの山本昌一社長のお話(第20回繊維・未来塾)を聞きに行ってきた。講演というより‘放談’に近い断片的な話ではあったが、それだけ絶好調で勢いがあるという事なのだろう。アパレル特化(アパレル・服飾で90%)のバッタ屋さんがこれだけ引く手数多なのはアパレル流通が供給過剰で破綻しているからに尽きる。
 さて山本社長のお話によれば、Shoichiは2005年設立で商いは11億円ほど。『商品は選ばず、販路の規制要望を守り、買取の意思決定も支払いも速く、買いでも売りでも頭を下げる』というバッタ屋さんの鏡みたいなポリシーが評価されてお客さんが増えているそうだ。買った後の仕分けと販路確保にノウハウがないと厳しい商売だが、Shoichiではオンライン社内競りシステムが要と見た。
 次々と持ち込まれる放出品をLAN上のフォーマットに挙げていくと卸しや直営EC、直営店などの営業責任者が単価と点数を入れて競り落としていく、オンワードの支店営業をLAN上で生鮮市場化したような仕組みなんだと推察される。仕分けノウハウについては詳しく聞けなかったが、仕入れ価格の低さと在庫マネジメントの粗っぽさから見てOPS的‘付加価値編集’のレヴェルには遠いと見た。とは言え11億円を50〜60人で回していると一人当たり年間売上は2000万円前後とアパレル卸しとしては限界的に低いから、相当きめ細かいイレギュラーワークをこなしているのだろう。15年7月決算期の売上は10億9400万円、当期純利益は172万円だから、効率的な商売とは言えないかも知れない。
 ‘付加価値編集’に至らないまま『選ばず買い取る』となると相当低い買値でないと採算は採れないが、Shoichiの買値は在庫の揃い方やコンディションにも依るが当初小売価格の3〜8%!と伺った。‘ヨコヨコ’はしないと聞いたが、それで決算原価率55%とは売値も相当に安くロスも大きいと推察される。そこを突っ込んで伺うと、『卸し中心に自社ECと直営店で20〜30%を捌いて年に10回転近く回し、持ち越し在庫は5%までに抑えている』と答えていただいた。
 商品財務やアウトレット商品の‘付加価値編集’に関わっている方なら??と思うこともあり、仕組みやスキルをカイゼンすれば買取価格ももっと高く出来るんじゃないの?と思われるかも知れないが、これが‘バッタ屋さん’のビジネスモデルなのだろう。米国のOPS(オフプライスストア)と比較すれば、もっと効率的で桁違いのビジネスに化けられるのではとも思ってしまう。ほんの小一時間ほどのお話と20分ほどの質問で会得したエントリー情報だから、次は本人と一対一で突っ込んでみたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/02/27 09:28  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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