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開けられた‘パンドラの箱’
 と言っても排他と憎悪の‘ナショナリズムの箱’の話ではない。17AWのコレクション、とりわけ一昨日の深夜、配信された「グッチ」のコレクションを見た感想だ。
 20世紀初頭のアール・ヌーボー、20年代のアール・デコ、第二次大戦期のマスキュリン、50年代のスコティッシュ・グラニー、60年代のモッズルックやコスモルックなど、60〜70年代初期の‘スウィンギング・ロンドン’で一度、開けられた‘パンドラの箱’が再び開けられたような盛り沢山のコレクションだった。「マーク・ジェイコブス」のコレクションでも類似したディティールやテクが盛り沢山だったが上手にまとめられた感があり、「グッチ」のような時代のイメージカルチャーが妖精か怨霊のごとく交錯する‘パンドラの箱’感はなかった。
 ミラー張りのピラミッド(なぜか頂点には風見鶏が?)を囲むように設えられたガラスのカプセル通路のようなランウェイを、紫から赤までサイケに変調する照明に乱されながら歩くモデルたちのコスチュームは色彩も物性も定かには見取れなかったから、カメラマン用には別の撮影席が設けられていたのだろう。
 会場設営に言及したのは、それが60年代ブリットSFへのオマージュと見えたからだ。キラキラとテカるコスチュームはもちろん、ピラミッドやカプセル、変調する照明など、「プリズナーNo.6」「謎の円盤UFO」「ドクター・フー」「サンダーバード」など、‘スウィンギング・ロンドン’の渦中で夢見られたレトロフューチャーな未来像が想起される。「プリズナーNo.6」はサイコサスペンスなスパイSF、「謎の円盤UFO」は「エヴァンゲリオン」に通ずるお色気サービス付きハイテクモードSFだったと記憶している。
 ‘パンドラの箱’と言ったのは、人類文明が破滅に瀕する時、時空の扉が開いて時々の文明の妖精や怨霊が一斉にフラッシュバックするからだ。そんな予兆でない事を祈りたいが・・・・・・


◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/02/24 09:28  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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