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お洋服を買わない理由
 昨年はホントに洋服を買わなかった。思い返してみると、その理由は以下の3点だったように思う。
1)どこの店を覗いても一昨年と変わり映えしない似たような商品が、その割には法外な価格で並ぶばかりで、買い気が起こらなかった。
2)贔屓の店で買うものがないからと言って、普段は覗かない店に行っても買上実績がないからどんな差別待遇を食らうか不安で、足が向かなかった。
3)サイズ探しに手間取って待たされたり、スキルの怪しいフィッティングで失敗しないか、知らない販売員と接するのが躊躇され、クーポン値引きや修理品の配送料などECより不利になるのではないかと不安で、わざわざ知らない店まで出向く気力が無かった。

 1)については三年以上もトレンドが変わらず、クローゼットには似たような飽きた服が溢れていたのだから、『正価で買え』という方が無理があったと思う。正価で買わせたかったら、それなりに鮮度のある目新しい服を、価格に見合った品質で並べるしかあるまい。その点、新たなトレンドに切り替わる今秋冬は真っ当な価格と品質で並ぶようなら買いまくってもよいのだが・・・・
 2)については、コンピュータ任せの機械的顧客管理が業界に蔓延して、何処も顧客をクラス分けして差別する事に慣れてしまい、囲い込みの仕掛けが他からの流入も阻止する壁になってしまっている。‘管理された羊’ではあるまいに、そんな扱いは不愉快だから足が遠のいてしまうのも致し方あるまい。
 3)については、リズムが合ってスキルに納得する販売員に出会うのは昔から難しいものだし、在庫探しが速くフィッティングが上手くてセンスも良いなんてスーパーマン(ウーマン)がそうざらにいる訳もない。‘おもてなし’も‘お愛想’も不要で神懸かられても困るが、スキルとセンスは不可欠だ。会社の仕組みで誰もがスーパーマンを演じられるのが理想だが、販売員を取り巻く現実はほど遠い。
 先進企業のよく出来たECやオムニチャネル利便に慣れたせいか、在庫探しに手間取ったりECとの連携を欠く店からは足が遠のいてしまう。利便性や満足度は相対的なものとは言え、よく出来たECに慣れると店は面倒臭い存在になって行く。それがお洋服店の抱える本当の課題なのかも知れない。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2017/02/15 09:17  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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