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顧客は‘管理される羊’なのか!
 先週開催した「販売データ交換会」の席上、『差別されちゃいました』という12月19日の私のブログが話題に登ったが、槍玉に挙げられた某セレクトチェーンのMDが言い訳するところに拠れば、『去年まで買上額で3ランクに分けていた顧客を今年は4ランクに分け、週をずらして会員セールを開催したので・・・・・』だそうだ。今シーズンの買上額が少なかった私は最終週に回されたのだろう。システム的な顧客管理が進んだ最近のチェーンでは3ランク、4ランクに分ける顧客セールも珍しくないそうだ。
 一斉バーゲンの前に顧客によって売価が違う‘一物二価’状態が4週間も続くというのは運用の難しさに加え、多くの顧客に『差別された』意識を植え付けて‘絆’を断ち切るリスクが指摘される。管理精度を高めるのは良い事なのだろうが、これでは逆効果なのではあるまいか。
 席上、他のチェーンからも顧客のランク分けやポイントカード、スマホによる登録率など実情が報告されたが、登録率を上げて顧客管理の有効性を高めるにはポイント付与が不可欠でメンズでは「裾上げ無料」が効果的だと報告される一方、未だカード方式が主流でスマホ登録は進んでいないという実情も明らかになった。来春3月に開催するSPACのオムニチャネル戦略例会では「顧客エンゲージメント」の実効性にも突っ込んでみたい。
 百貨店にせよ専門店チェーンにせよ、顧客管理のシステムが高度化し売り手都合の活用が進むばかりで、顧客側がどう受け取るかという検証は後手に回っている。購買履歴を掴まれて売り手都合で一方的にタイプ分けやランク付けが為され、共通ポイント制などでは個人情報の流用も訝られる一方通行の顧客管理では顧客は‘管理される羊’でしかない。
 顧客管理がシステム化される以前は顧客は販売員と顔が見える関係に在って‘羊’扱いされる事は無かったが、システムで管理される一方的な関係となっては期間の購買額や購買特性でドライにタイプ分けランク付けされてしまい、店や販売員との‘絆’も希薄になってしまう。このまま一方通行のシステム管理を続ければ、‘管理される羊’たちもドライに‘絆’を断ち切るという無言の反乱に走るのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/12/27 09:10  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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