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差別されちゃいました
 しばらく買いそびれていたお店を覗いてみたが、今週末から顧客向けのセールが始まっていると聞いて物色しようと思ったら、『お客様は来週末からです』と宣告されてガッカリ!そういえば今シーズンはここでは買ってなかったなと思い当たるが、先シーズンはプロパーで結構買ったのに・・・などとご機嫌を損ね、他店を買い回る意欲も無くなって早々に帰宅した。
 顧客管理が厳密に行われる事は良い事なのだろうが、何枚も顧客カードを持ち歩く訳にもいかないから余程、高頻度に購入する店以外は顧客登録をしないし、凡用ポイントカードと提携している場合など購買履歴を覗かれるのが嫌で顧客登録しないで買う人もいる。それはECでも同様で、顧客登録しないと買えないサイトからは余程、他に代え難い場合以外は離脱してしまう。贔屓にしている店でも毎シーズン購入する訳ではないから、今シーズンの購入が少ないからと格下げされるのは相当な抵抗がある。店側の品揃えが蛇行したり劣化して買えない場合も多いから、それを顧客の責にしては‘絆’を切りかねない。
 長い買い物人生を振り返ってみると、贔屓の百貨店を替える契機となったのは何時も顧客ランク格下げへの‘遺恨’だった。ポイント制をベースとした顧客管理システムが定着して久しく、好みのブランドが出て行って購入額が減ったりすれば覿面に格下げされてしまうが、それまでの何年もの愛顧を顧みず機械的に処理されてしまう事への‘遺恨’は大きく、一瞬にして気持ちが離れてしまった。そんな中でも長く続いているのは外商との‘顔が見える’関係が確立されている百貨店で、年度によって購入額が落ちても機械的に格下げされることはない。
 少子高齢化と経済活力の衰退などで消費が萎縮する今日、新たな顧客を獲得する労力とコストは既存顧客を維持する労力とコストより桁違いに高い。売る側の論理を押し付けたり、新たな顧客を獲得しようとして品揃えが蛇行すれば、長年の顧客を失うリスクが大きい。変化へのチャレンジは必要だが、獲得するものと失うもののバランスは冷静に計算すべきだ。
 消費の拡大が望めない今日、品揃えから顧客管理まで‘顧客エンゲージメント’こそ最大の経営課題ではないか。来春2月3日に開催するSPACニューイヤーコンベンションは顧客のみならず取引先や従業員まで四方のステークホルダーとの『絆の再生を求めて』をテーマに、化粧品業界との比較も加えて真摯な提言を投げ掛けたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/12/19 09:19  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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