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ブラックフライデーはご冗談!
 米国では感謝祭の祝日(11月の第4木曜日)明けの金曜日から「ブラックフライデー」という年末商戦に突入するが、近年はECも加わって過熱し、メーシーズなど感謝祭当日の夜から店を開けて(米国では日曜、祝日は店が閉まる)セールに入る小売業者も少なくない。
 「ブラックフライデー」の翌月曜にはオンラインストアが一斉にセールに走る「サイバーマンデー」が控えているから、店舗小売業者としては数日でもアドバンテージが欲しいところだが、現実にはアマゾンなどEC大手も「ブラックフライデー」からセールに入る。昨年の「ブラックマンデー」商戦ではアマゾンがEC総売上の35.7%も占めたとか。そんな「ブラックフライデー」を日本でも仕掛けようと、先行するギャップや日本トイザらスなど米国企業に加えてイオンが参戦するそうだ。
 ギョーカイでは利益確保や産地擁護?のため期末バーゲンを後ろ倒すという試みが深刻な販売不振で頓挫したばかりだが、「ブラックフライデー」という極端な前倒しが仕掛けられるというのも考えものだ。11月の第4金曜日といえば今年は25日になるが、ここからプロパー最盛期のクリスマス商戦が始まるという書き入れ時にセールを仕掛ける小売業者が出て来れば値崩れが早くなり、周囲の小売業者は利益を圧迫される。その分、当初の原価率を切り下げて割高な価格を設定せざるを得ないから、ギョーカイ全体としては余計に顧客を遠ざける事になりかねない。
 「ブラックフライデー」に反対したくても、オンライン世界には戸を立てられないから、米国からカナダ、英国へと広がって韓国やシンガポールにも波及している。韓国など日本に流れた中国人観光客を取り戻そうと今年は九月末から国家を挙げて仕掛けたほどだ。バーゲン時期論争の時も指摘したが、インバウンド客を奪い合って東アジアのバーゲン時期はどんどん早まっているし、越境ECが急拡大するご時世では鎖国的なローカルスケジュールは成り立たない。
 という訳で、「ブラックフライデー」については流通を一段と非効率化する行き過ぎとして反旗を掲げたいが、オンライン時代のグローバル化にはクール・ジャパンも逆らえない。バーゲン時期後倒しから一転、韓国やシンガポールとバーゲン時期前倒しを競う事になるのだろうか。窮地に追い込まれたギョーカイには泣きっ面に蜂だが、アマゾンあたりが本気で仕掛ければ一気に広がってしまう。ローカル日本のローカルなギョーカイ村には次々とカタルシスが押し寄せる運命なのだろう。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/10/27 09:16  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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