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在庫運用の精度が問われている

 恐慌下で消費が萎縮して売上が低迷する中、在庫運用の精度が問われています。米国GAP社など既存店が二桁割れする中を在庫運用の精度アップで増益を叩き出すという神業を見せつけていますが、日本のアパレルチェーンでは売上減少が減益に直結するケースが大半で、能が無いと言うしかありません。
 在庫コントロールの基本は店別カテゴリー別の直近回転に同調するものですが、売上減少で回転が落ちたからと言って投入を抑制すれば縮小均衡に陥って売上はさらに落ちてしまいます。新規投入は計画通りに行なって売上機会を確保し、不振在庫を店間移動して在庫を抑制するのが正しい手法です。それにはエリア内で定期的に店間移動していくプロセスを定めておく必要があります。すなわち、フラッグシップ/レギュラー/プロパーアウトレットという役割をそれぞれの店舗に割り振って布陣するのです。売上低迷でもGAP社が増益出来る仕掛けの原点はそこに在るのではないでしょうか。
 在庫コントロールの精度向上という点ではカテゴリーという大枠に留まらずSKUレヴェルまで掘り下げ、SKU単位の店間移動やマークダウンでロスを極小化すべきでしょう。マークダウンも期末まで待てばロスが大きくなりますから、投入後一定期間を経て消化率が一定以下なら手早く店間移動やマークダウンを仕組むべきです。もっと確実なのがキックオフで、投入直後の消化が一定以下なら20%程度の早期値引きをかけて消化を促進する手法で、米国のSPAでは一般的に見られます。
 店間移動やマークダウンに頼る前に打つべき手が再編集運用で、陳列形状を変えたりコーディネイトの相手を替えて多重露出したりグルーピングを組み換えたりして販売機会を創造すれば消化は確実に進みます。再編集の手法は体系的に確立されており投入や店間移動と連動して消化を促進出来ますが、未だ未活用の会社が多いのは残念です。
 これら在庫運用精度を高めれば、売上減少下でもロスを圧縮して増益が可能なのです。3月26日開催のSPAC月例研究会ではロスとコストの圧縮策を徹底して追求しますし、5月14日開催の『再編集陳列VMDゼミ』では再編集陳列による消化促進技法を体系的に伝授する予定です。ギャンブル商売ばかりやってないで、少しは科学して成果を挙げましょう!!
 2009/02/19 15:04  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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