« 前へ | Main | 次へ »
アパレル店数は半減する?
 アパレル店舗販売の低迷が極まってECへのシフトが加速する中、大手アパレル4社だけでも15〜16両年の退店計画は1600店を超え、ブランド/業態の休止廃止や退店は何処まで広がるのかと背筋が寒くなる。
 29日に開催するSPAC月例会『出店政策&出店条件総点検』に先駆けてのメンバーアンケートでは、今年度(8月末までの一年間)は98年以来18年振りに退店数が出店数を上回り、退店率は143%と史上最悪値を更新。この5年間でも総出店数4300店に対して退店数は3928店と91.3%に達した。
 同期間の株式公開アパレルチェーン14社の合計出店数2218店に対して退店数は1916店と86.4%に達するから、メンバー企業に限らず、この間の退店率は9割前後というのが業界の実情のようだ。株式公開14社の00〜10年の合計出店数5767店に対する同期間の退店数は3271店で退店率は56.7%だったから、近年の退店率上昇は劇的なペースと言わざるを得ない。
 それは米国アパレルチェーンとて大差ない。ギャップやアメリカンイーグルなど出退店数を発表している上位主要9社の直近5期間の総出店数2142店に対して総退店数は2081店で、退店率は97.2%と100%に迫る。EC売上を公表している上位主要7社計の15年度売上は店舗が7.26億ドル減少した一方でECは2.55億ドル増加しており、平均EC比率は1.4ポイント上昇して16.4%に達した。米国アパレルチェーンは経営効率の低い店舗を整理縮小してECへのシフトを急いでいるのだ。
 先日のブログ『衣料品は毎年、半分売れ残る!』で衣料品のオーバー供給が限界を超えている事を指摘したが、限界を超えているのはオーバーストアも同様だ。バーゲンやファミリーセールを駆使しても半分前後が売れ残って‘ユーズド品’としてアジア諸国に輸出されている現実を直視するなら、アパレル店舗は現状の半分になってもおかしくない。
 大手アパレルの退店ラッシュや外資SPAの撤退を千載一遇の好機と見て新業態を開発してまで後釜を狙うアパレルチェーンも目に付くが、便利なECへの流出が続いて店舗販売の水位はさらに下がると見るべきで、ラッキーカードのつもりがジョーカーを掴む結果となりかねない。アパレル店舗販売で残存者利益が期待出来るのは、水位低下が四半世紀も続いて底に近づき新規参入も途絶えて久しい百貨店のキャリア〜ミセスゾーンぐらいなもので、SCで残存者利益を期待しても夢幻に終わるのではないか。
 幾度も指摘して来たが、『どうして売れない店を増やすの?』と改めて問いたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/09/26 09:58  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ