« 前へ | Main | 次へ »
なめんじゃね〜よ! 
 H&Mグループのストリート系SPA「MONKI」が8月16日で竹下通りのキュートキューブ原宿とイオンモール幕張新都心の二店舗を閉店した。13年6月に開店した上陸第一号の心斎橋店も昨年5月末に閉めているから(同時に「Weekday」も閉店)、これで事実上、日本市場から撤退した事になる。
 15年1月末には「TOPSHOP」が全5店舗を閉店して撤退しており、ギャップ社の「OLD NAVY」も17年1月末を目処に全53店を閉めて日本市場から撤退する。09年に鳴り物入りで上陸した「Abercrombie&Fitch」も未だプロパー2店/アウトレット3店に留まり、13年に進出した「Hollister.Co」も6店に留まる。14年4月に上陸した「Stradivarius」も11店まで増えたが顧客を掴んだとは言い難い。
 日本に171店を展開する「Gap&GapKids」にしてもセールを乱発して先行きが見えないし、51店を展開する「Banana Repubric」にしても商品企画が凡庸で価格に見合う価値は見出せない。出店を続けて65店に達した「H&M」とて販売効率の低下と既存店売上の減少が続いている。「ZARA」こそ着実に顧客を掴んで既存店売上を伸ばしているが、外資アパレルチェーンの多くは既存店売上が低迷しており、出店政策や価格政策の混乱も否めず、本国の経営判断次第でいつ何時、撤退となるか予断を許さない情況だ。
 そんな外資アパレルチェーンに一等地を別格条件で提供して来た商業施設デベロッパーが大きなリスクを抱えている事を「OLD NAVY」撤退劇が露呈したが、そんな問題が無くても外資アパレルチェーンが日本国内でこれ以上、シェアを伸ばし続ける事は難しいと考える。
 このブログで幾度も『ファッションはローカルなもの』と警鐘を鳴らして来たが、文化的基盤や社会構成、ライフスタイルが異なれば、ファッションとりわけユーティリティ(着こなし着崩し)は大きく異なる。それは国どころか地域や街、ストリートでさえ異なる。7月13日のこのブログ『テロワールとミクロクリマ』をご一読頂きたい。
 きもの文化が未だ何処かに通底する我が国ではクリエイションよりユーティリティの比重が大きく、同じブランドやストアでも地域やストリートによって打ち出すスタイリングはデリケートに異なる。外資アパレルチェーンでもローカル対応に目覚めたところは東京と大阪、銀座と原宿などでユーティリティの異なるスタイリングを打ち出しているが、元々の企画がユーティリティ主導の日本市場にマッチするとは限らず限界がある。ましてやユーティリティが競われるストリートファッションで大味な外資アパレルチェーンがシェアを伸ばせるとは到底思えない。
 一時は世間を騒がせても、マーケットに定着してシェアを伸ばせるチェーンは10に1つあるかどうかではないか。『日本市場をなめんじゃね〜よ!』と言いたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/08/18 10:00  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ