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アプルーバル・セカンド
 自動車業界ではドイツの高級車メーカーを筆頭に二次流通管理が進み、それが中古車価格を下支えして下取り評価を押し上げ、ひいては新車の値引き巾を圧縮する効果が発揮されている。
 中古車と言えば信頼性を疑ってかかる感覚が未だ残っているが、それら高級車メーカーの認定中古車(アプルーバルカーとかサーティファイドカーと称する)は履歴が明らかで整備が確かで保証も付いているから安心して買える。二次流通管理がしっかりしているブランドほど値下がりが少なく買い替えが容易で、信頼性もブランド価値も高く保てる。
 そんな高級車メーカーと較べると、二次流通をコメ兵やヤフオクに任せっ放しのラグジュアリーブランド業界なんて無責任と言うか怪し過ぎると言うか、本気でブランド価値を守ろうとしているようには見えない。大枚かけてランウェイを演出し派手なパーティーでパリピをもてなすのがブランディングだと本気で思っているとしたら、まともなビジネスマンではない。そんな暇や金があるのなら、一部の宝飾/時計メーカーが実践して来たように製造番号刻印による絶対単品で流通と品質を管理し、グローバルにメンテ拠点を配してアフターサービスを徹底すべきではないか。どんなに派手なイベントで憧れを煽っても、売りっ放しではブランド価値は保てませんよ!
 「偽物の見分け方」なんてマニュアルが存在する事自体がブランド側の手抜きであり、新品はもちろんユーズド品も、正規販売店だけでなく二次流通業者も、誰もがQRコード?をスキャンしてブランドの品質管理サイトで刻印された製造番号を照合すれば瞬時に正贋を判定出来るようにするべきだ。何とか協会とか作ってイベントに金かけるのに、そんな統一管理機関を作ろうという話はとんと聞いた事がない。やはり価値観が違う世界なのだろう。
 真摯にブランド価値を守りたいなら、二次流通をコメ兵やヤフオクに任せっ放しにしないで、ブランド自らが買い入れて修理し品質保証した‘アプルーバル・セカンド’を直営のユーズド店やユーズドサイトで二次流通させるべきではないか。そこまで品質に自信がないのなら、あるいはそこまでの体制を確立出来ないのなら、‘ラグジュアリー’という旗を下ろすべきかも知れない。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/07/28 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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