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テロワールとミクロクリマ
 と言っても畝違いだどっち向きの斜面だといったワインの蘊蓄ではなく、商業立地のビミョーな違いについてのお話で、先日、原宿・表参道地区に店舗を探している方にアドバイスした概要だ。
 原宿・表参道地区と言っても、表参道は億人単位のグローバル商圏、明治通りと竹下通りの駅側、キャットストリートの渋谷側は千万単位のナショナル商圏、竹下通りでも明治通りを渡った裏原側、キャットストリートも千駄ヶ谷寄りになると平日は数万単位のローカル商圏という極端な違いがある。客層も表参道は外国人や日本人の観光客が多数派を占め世代は多岐に渡る一方、明治通りは関東圏からの若い人が多く、竹下通りは関東圏を中心に季節によっては全国からティーンズが押し寄せる。 
 キャットストリートは表参道から渋谷寄りが圧倒的に通行量が多く外国人観光客も目立つが、ストリート志向の若者が大半のように見える。千駄ヶ谷方向はガクっと通行量が減り、竹下通りを過ぎると閑散として、かつての裏原の勢いは忍ぶべくもない。客層も地元やギョーカイの関係者が大半で、メディアやSNSなどで独自に集客する個性派?のブティックがひっそりと点在するに留まる。
 表参道も一歩、横道に入るとローカル色やカテゴリー色、特定客層色が強まる。渋谷側の横道では、隠田通りは地元客とギョーカイ客に近年はキャットストリートから溢れるナショナル客が急増して赤丸注目。バーバリーやLVが並ぶ表通りから路地を入ると通りによって鞄や靴、インテリア雑貨などのブティックが点在する。その青山側のクレヨンハウス通りはベビーバギー族の聖地として知られるが、近年は大人向けのブティックやカルチャー雑貨のお店が増えている。
 表参道ヒルズ側の裏通りはアップルストア角を入って行く商店街を除いて第一種住居専用地域で、ラルフローレンからオニヅカタイガーまでの一角とアップルストアからフライングタイガーまでの一角を除けば、カットサロンとカフェやコンビニが交錯するローカル商圏に留まる。一時は裏通りまで入り込んでいた外国人観光客もめっきり減った。
 近年は総じて渋谷方向と青山通り方向への立地移動が顕著で、千駄ヶ谷方向とりわけ裏原地区の衰退が目立つ。以上は業界の玄人と言うより40年近くこの地区で様々な栄枯盛衰を見て来たジモティの実感だが、ひとつの地区と言っても通りや位置で客数や客層がこんなに違うという参考になれば幸いだ。それは渋谷も銀座もパリもNYも似たようなもので、まさしくテロワールとミクロクリマの世界なのだ。出店立地の選定はジモティの声も聞いて慎重にね!

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/07/13 09:50  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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