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フラッシュセールサイトは行き詰まる!
 アパログで平山幸江さんが『泡と消えつつあるフラッシュセールビジネスの行方』とレポートしていたが、私は必然の結末だと思う。なぜなら、かつてアウトレットストアのビジネスも一定規模で行き詰まり、オフプライスストアへと変貌した者が勝ち残ったという歴史が在ったからだ。
 平山さんに拠ると08年から急成長したフラッシュセールビジネスの大半が行き詰まって売却されたり事業整理を強いられているそうだが、その要因を1)米国景気の回復で魅力的な処分在庫の調達が難しくなった、2)TJマックスや百貨店のアウトレット業態に顧客(恐らくは調達先も)を奪われた、と指摘しておられるが、その両者は表裏一体の‘タイトロープ’だったに違いない。
 アウトレットビジネスの成否は販売よりも調達に在り、魅力的で大幅な値引き訴求が可能な商材が安定的に調達出来るか否かが成否を分ける。ブランドビジネス側としては処分品が安定的に発生しては商売にならないから、生産量を絞ったりプロパー販売率を高めたりして処分に回る量を極小化しようと努力する。そんな努力に消費景気の浮揚が加われば処分品の供給が細るのは必然で、フラッシュセールサイトの多くは急拡大した規模に見合う処分品の供給が得られなくなって壁に当たったと思われる。
 その一方、多数の店舗を抱えて処分品だけでは品揃えを回せる訳がない大手オフプライスストア(TJマックスはその筆頭)、プロパー店舗を上回る処分店(‘ラック’などと呼ばれる)を展開して自社の処分品だけで回せるはずもない百貨店は専用開発商品の調達体制を確立しており、ブランド業界と結託して計画的に処分品?を品揃えしている。でないと多数のアウトレット店舗を維持運営出来るはずがないのは業界のジョーシキだったが、フラッシュセールサイトのベンチャー経営者はそんなジョーシキを知らなかったか、目の前の売れ行きに目が眩んで先々のリスクが見えなくなったのだろう。
 もっとも、招待を建前に期間限定で早い者勝ちのバーゲンハンディングを煽るフラッシュセールサイトが計画調達の疑似処分品を安定供給しては早い者勝ちを煽る仕掛けが成り立たず、どっちへ行っても行き詰まったと思われる。結局はリーマンショック後の消費冷却で供給過剰となったブランド業界の混乱が生んだ一時の徒花だったのだろう。ならば中国人好みに堕落した欧米メゾンブランドやファストファッションも大同小異な運命を辿るのかも知れない。


◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/05/30 10:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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