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コーペティションとコーペラション
 休日に家に居ると黒猫さんや佐川さん、日本郵便・・・と次々に通販商品が届いて忙しないし、平日は帰宅すると不在票が入っていて急いで再配達をお願いする事も度々だ。受け取る方もともかく配達する方の手間は想像がつくが(横田増生氏の「仁義なき宅配」はリアルでしたよ!)、不在がちなお宅が多いと再配達も大変だろうと思う。都市の住宅地ならともかく郊外の団地や過疎地では負担が大きく、各社がばらばらに宅配しないで地域毎にまとめて分担すれば格段に効率化できるのにと思っていたら、今朝の日経は多摩ニュータウンでヤマトが佐川急便と日本郵便の荷物もまとめて届けるサービスを始めると報じていた。
 これは多摩ニュータウンでの住民向け生活支援サービスの一環で、団地に生活支援サービス拠点の「ネコサポ」を開設して買物代行や家事支援のサービスを提供する。買物代行はウェブサイトや電話、拠点のカウンターで注文を受けて近隣の生協「コープみらい」で一括購入して各家庭まで宅配するもので、今後は近隣のホームセンターやドラッグストアにも拡げるそうだ。
 この取り組みは二つの示唆を含んでいる。ひとつは競争する宅配業者が地域毎にまとめて分担するという‘コーペティション’であり、オムニチャネル時代のオープン・プラットフォーム戦略を象徴するものだ。もうひとつは地域の生活支援サービスを地域に拠点を持つ業者が集約しておこなう‘コーペラション’で、宅配業者のみならずオムニチャネルの奔流に晒される地域の商業施設が積極的に担うべきだと思う。
 商業施設はオーバーストアとECの拡大に圧されて‘物を売る場’から様々に楽しむ‘時間消費の場’へと志向しているが、そこには古典的な囲い込みのクローズド思考が通底している。地域顧客の期待に応えて永く繁栄して行くには排他的なクローズド思考を排し、顧客利便を最大化すべくEC業者や宅配業者はもちろん競争関係にある業者も含めて様々なサービスを集約して提供するオープン思考が不可欠だ。‘コーペティション’と‘コーペラション’こそ商業施設の未来を開く突破口なのではないか。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/04/28 09:53  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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