« 前へ | Main | 次へ »
オムニチャネル戦略の選択を問う
 明日30日は「オムニチャネル戦略の選択」をテーマにSPAC月例研究会を開催するが、それに先立ってのパネラーさんたちとの事前打ち合わせとメンバーアンケートとのギャップには少々ショックを受けた。‘オムニチャネル’最先端を走る企業と未だ‘EC’段階で試行錯誤する企業の格差があまりにも大きかったからだ。
 ‘オムニチャネル’最先端企業は顧客と在庫の一元運用と社内の基幹管理システムとのリアルタイム連携を志向して社内にSEチームを抱え、ECモールやECサービス業者のプラットフォームを離脱し始める一方、未だ‘EC’段階の企業はECモールやECサービス業者のプラットフォームに依存したまま顧客と在庫の一元運用も果たせず、基幹管理システムとのリアルタイム連携も見通せないでいる。それは事業規模の大小と言うより組織の老化や柔軟性の欠如に起因するもので、前世紀にメインフレーム型の基幹システムを確立した古い企業の立ち後れが目立つ。
 オムニチャネルの闘いはリテイラー同士の販売戦からECモールやECサービス業者とプラットフォームの優劣を競う段階に移行し始めており、プラットフォーム化するSNSも巻き込んでリテイルビジネスとITビジネスが覇権を争う新局面が迫っている。そんな局面が見えている最先端企業はSEチームを増強して独自のプラットフォームを築き始めているが、未だ‘EC’段階に在る多くの企業はささげ業務を内製化しコーディング・スキルを磨くに留まる。
 それぞれの企業が業容や段階に応じて等身大の手を打って行く事を否定するものではないが、格差の広がりは加速度的で、EC売上対比の運営経費率にストレートに繋がっている。その格差は年々広がり、今回のメンバー回答では自社サイト主体のオムニチャネル先行企業とモール依存の企業の格差は売上対比で平均12ポイントにも達した(それでも上場専門店チェーン平均より17.8ポイントも低いが)。
 進化を強要する訳ではないが、進化に取り残されては搾取されるだけで収益性の目処が立たなくなる。乗せてもらう側から自分で運転する側、さらには乗せてあげる側へと進化する必然は店舗小売とて同様だったではないか。詳しくはSPAC研究会の会場で明らかにしたい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/03/29 12:32  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ