« 前へ | Main | 次へ »
法律なきVMD行政の混乱
 毎月、少なからぬブランドやストアのVMD指導を行っているが、どんどん上達して売上が上がるケースとそうもいかないケースがある。その明暗はVMDの法律と行政指導、現場運用の関係がしっかり築かれているか否かに起因しているようだ。
 本部が各店舗にVMD展開を指示するスタンスは二つに別れる。ひとつはグルーピングからユニットのレイアウト、各什器の棚割(品番/色/サイズの配置と陳列形状)まですべて厳密に指定するやり方だが、立地から店舗形状、什器の規格と数量まで標準化が徹底されている事が前提となる。現実にはそんなブランドもストアも存在しないが、ユニットのレイアウトと各什器の棚割指定を切り離せば近似した運用は出来る(棚割の変化運用/再編集統合ルールを別途に定める必要が在るが)。
 ひとつはおおまかなグルーピングとレイアウト、打ち出し/実売のルック組みやアイテム集積の陳列を指示するだけで、実際の運用は店舗に任せるやり方。店舗の標準化が困難な場合には現実的なやり方だが、各店長の力量や手法で運用も成果も異なるから、マネジメントもブランディングもままならない。
 私の指導経験から言えば、どちらも非現実的だ。なぜなら前者では現場の運用能力が育たず、前提とした情況と現実が異なって来ると混乱するばかりで対応出来ない。後者では統一した運用が出来ず、本部が成果をマネジメント出来なくなる。本部がマメジメント出来て、かつ各店舗が上手に情況対応出来るためには、本部と店舗の両方が理解する「法律」が必要なのだ。
 「法律」というと「マニュアル」を作ればいいのかと短絡的に受け取られるかも知れないが、「マニュアル」の性格も目的によって多様だし、運用体系が曖昧では実務に定着しない。どう運用するか行政ルールを先に決め、そのための「マニュアル」を作るという手順が肝要なのだ。
 まず品揃えの構造とレイアウトをツリー形状に規定し、その各ユニット(元番地)の陳列ルールと時系列運用ルール、そこからフォーカスする打ち出しラック(出前)の陳列ルールを「マニュアル」に定めたい(アイテム/カラー/サイズの配列順やフォルム形成、ルック配列のルールまで)。その上で毎サイクル、元番地への投入と出前陳列/VP、前サイクル商品の再編集を本部がビジュアル指示(行政指導)する。出前陳列/VPでは店タイプ別に2〜3の選択肢を提示し、情況対応を店舗に委ねる(一つだけ指示すると各店舗で勝手に工夫してしまう)。基本ルールと選択出来る指示を明示し、店舗での運用巾を規定する事が大切なのだ。
 この法律/行政指導/現場運用の関係が定まれば、売上とブランディングを本部がマネジメント出来るVMD体制が確立出来る。現状のVMD体制をチェックしてみては如何か。
 追伸 昨日は“博多ヴィオロ”の取材に行って来ました。天神は岩田屋回りの狭いエリアにファッション関連が集積していて買い物にもリサーチにも大変便利ですネ。ヴィオロのUAもシップスも良く出来ていましたが、大名にオープンした“ビューティ&ユース”は有楽町西武同様、場違いな加工系ゆるアメカジがコアのモードミックス系とミスマッチでガックリしました。“博多ヴィオロ”の一押しは3Fの“CROON A SONG”でしょう。

 2006/09/15 16:37  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ