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順張りと逆張り
 と言っても株やFXのお話ではなく、我らギョーカイの商品開発のお話だ。‘順張り’とは皆と同じ方向へ動く事で、‘売れ筋追い’と言い換えても大きな違いは無いだろう。‘逆張り’とは皆とは逆の方向へ動く事で、‘需給の先読み’と言い換えても良いだろう。ギョーカイのほとんどは‘順張り’で‘逆張り’は最大でも5%ぐらいかと見えるが、どっちが報われるかと言えば、‘順張り’は初めは良いが後が恐いし、‘逆張り’は初めは我慢だが後が美味しい。‘順張り’では見切り時が肝要だが、‘逆張り’では風向きが変わるまでの我慢が必要だ。
 見切るにしても風向きが変わるのを待つにしても、そのタイミングの読みが問われる。ファドな売れ筋は皆が手当てして需給が逆転するまで2〜3ヶ月(ファスト系はこの倍速)という感じだが、昨春来の裾リブパンツやガウチョほどの広がりになると四季を一周してタンスが満杯になるまで止まらない。‘定番’ともなれば四季を二周も三周もするから、終わりが読めなくなる。潮流の反転はファクターにもよるが、グローバル&モードからローカル&ナチュラルへの反転には7年を要した。
 様々なデータや気配を検証して風向きを読み、素材開発の動向も参考に、来シーズンのマーケットを予測する作業は‘科学’とも‘勘’とも言えようが、ファッション市場は川上から川下までのギョーカイにメディアやSNSも絡んでボールが何処へ向かうか読み難い巨大な‘コックリさん’ゲームだから、データに基づく‘科学’と動物的嗅覚に基づく‘勘’(恐らくは経験則によるアルゴリズム)の両面から先を読むしかない。
 そんな不安定な予測作業も30年(60シーズン)以上も続ければ経験則が積み上がり変化の兆しを読む勘も研ぎ澄まされるから精度は確実に高まって行くが、経験則を超えた‘異変’までは読みようがない。限界はあるが、予測の技術的精度と素材の裏付け、MDのトレンドを押さえたビジュアルな提案にはそれなりの自信がある。16AWを予測した『MDディレクション』もクライアントへの解説が一巡した後、当社ミーティングルームでささやかなダイジェストセミナーを開催したい。

◆小島健輔(KFM)のオフィシャルサイトはこちら
 2016/01/20 09:17  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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