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「GAP」初の省在庫型ストア?
 玉川高島屋SCのマロニエコート2Fに先週13日の金曜日に開店した「GAP」は世界初の‘省在庫型’実験店と聞いて早速、検証に行って来た。これまで1〜2F計1000平米で展開して来たメンズ/ウィメンズ/キッズ/ベビーを2Fの440平米で展開するにあたり、売場と在庫を圧縮しても品揃えを充実すべく、商品構成とVMD、補給やECとの連携を図る‘省在庫型’の実験店としたものだ。
 売場の構成を一見して解るのがカラー展開の絞り込みで、同色相濃淡または二色相に絞って二群に分けて陳列している。数年前のスキニーラインが流行った頃はやたらカラー展開したものだが、最近は「ZARA」を筆頭に‘1〜2色+1柄1色’企画が台頭しており、二色相ぐらいに絞った方が断然カッコいい。一部の品番はカットしたがカテゴリーやサイズ展開はカットせず、SKUフェイシング量を絞って在庫を抑えている。
 ストックルームも皆無で欠品が心配されるが、毎日一便、千葉DCから補給する一方、欠品した場合はタブレットでECサイトを紹介して顧客がスマホなどから直接、発注するよう誘導する。売場でタブレットから直接、発注する事はデベとの取り決めで出来ないそうだが、顧客が自分のスマホなどでショールーミングする事までは妨げていない。
 ギャップジャパンの場合、ECを始めたのも13年からで、出荷DCの多拠点化によって翌日配送エリアを拡げるという段階にはまだない。全国の店舗をカバーする千葉DCが全国のEC受注も担い、欠品や遠隔地からの受注には適切な店舗を自動選択して‘シップ・フロム・ストア’で店から発送しているが、顧客の利便性はいまひとつのようだ。実はグローバルでEC比率が15.2%に達し25億ドルも売り上げるギャップ社でも米国内の発送拠点は6ヶ所しかなく(翌日配送エリアを拡大するアマゾンは80ヶ所)、DCから遠いエリアへの発送は北米2745店舗からの‘シップ・フロム・ストア’に依存している。
 米国ギャップ社は元より交流物流だが‘シップ・フロム・ストア’依存ゆえ店舗在庫の圧縮に繋がらず、DCの多拠点化も進んでいない現状では‘省在庫型’と言ってもオムニチャネル・ロジスティクスには遠く、むしろ近隣大型店から補給する‘テザリング’体制の方が現実的と思われる。省在庫ゆえ‘シップ・フロム・ストア’は担わないとする玉川高島屋SCの‘省在庫型’実験店だが、‘テザリング’も取り入れるのか、デベとの連携が進んで‘ショールームストア’へと進化するのか、今後に注目したい。

 2015/11/25 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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