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LV型とエルメス型
 「EXPOCITY」に揃った外資ブランド/SPAから著名セレクトショップとその派生業態、近年流行のライフスタイル業態や低価格コモディティ業態を一周しても、どれもインパクトを感じなくなった。それぞれに感覚的あるいはテクニカルな魅力はあるのだけれど、新設施設やリモデル施設で見慣れて珍しくもなくなったせいか今ひとつ鮮度を感じないし、何より『何か買って行こう』という衝動が起きないのだ。
 そんな中で『カッコいい店だな』と目を惹かれたり『買って行こうかな』という誘惑にかられたりするのは意外に単品特化のブランドやストアだったりする。「EXPOCITY」で目に付いたのもそんなストアばかりだった。振り返って見れば、日頃愛顧しているのは何かの単品に特化しているブランドやストアが多い。コーディネイトとかライフスタイルとかで寄せ集めたストアは見た目は面白いが、本気で買おうとすると何処かで行き詰まる事が多いし、滅多にリピーターにはならない。
 よく買うブランドを挙げれば、「INCOTEX」「PT」「Cruciani」「鎌倉シャツ」など、やはり単品特化ブランドが多い。そう思えば、「モンクレール」だって未だ売上の8割はダウンジャケットだそうだし、「マッキントッシュ」だって「バーバリー」だって元はコート特化のブランドだった。プレタに進出して毎シーズン、コレクションを発表している著名皮革ブランドだって、売上の大半、利益に至ってはほぼ全部、バッグや靴など皮革部門が稼いでいると聞く。
 某大手アパレルの会長さんと会う度に意気投合するのが『コーディネイトは儲からない。儲かるのは単品商売だ。』というくだり。長年、様々なSPAやブランドを研究して効率的なサプライチェーンを求めて来たが、素材とファクトリーを顧客ニーズに繋げるコンセプトや提供方法を追求すれば単品MDすなわち‘シングルライナー’に行き着いてしまう。それには素材軸と定番軸のふたつのアプローチがある。前者が「LV型」、後者が「エルメス型」である事は言うまでもあるまい。



 2015/11/18 09:34  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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