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マス・メリット幻想から覚めよ
 マス・メリットを追って多店舗展開して来たアパレルチェーンや量販店チェーンが軒並み不採算店舗の大量退店を迫られているが、ここに至った最大の要因はマス・メリットの勘違いに在ったと思われる。
 多店舗化すればロットが大きくなってバイイングパワーで調達コストを下げられると単純に考えられて来たが、それは供給が潤沢で問屋流通比率の高いNB商品や自社がロット買取するPB商品、あるいは欧米式のエクスクルーシブ買取(販売地域や品番を限定して独占)についてであり、需要より供給がタイトな人気商品や供給が不安定で生産者直あるいは市場経由の生鮮食品などではバイイングパワー効果は限られる。加えて、大量調達した商品を適時適量に多数の店舗に供給し機会ロスなく販売して行くには情報システムで武装したきめ細かいロジスティクス体制が不可欠で、直流物流やパッケージ補給など粗っぽいやり方では在庫の偏在による機会ロスと値引きロスがマス・メリットを食い潰してしまう。ゆえに生鮮食品などではナショナルチェーンより地産地消体制が整ったローカルチェーンの方が効率的で、顧客にとっても魅力的な場合が多い。
 それはアパレルの世界も大差なく、顧客を見据えて店舗展開を絞り需要が供給を上回る人気ブランドは地産地消なローカルチェーンのごとく効率的だし、シャツやパンツで例外的に見られる ‘ファクトリーダイレクトSPA’もEC並みの在庫効率が注目される。
 オムニチャネル消費が拡大し在庫効率も営業効率も投資効率もECが店舗を大きく凌駕する現実を突き付けられる中、マス・メリットを追って多店化するメリットはもはや極めて限られ、ECを基軸に店舗事業の在庫効率と運営効率を抜本的に改善するオムニチャネル戦略が至上命題となった。10月8日に開催する『チェーンストア経営革新ゼミ』、10月15日に開催する『ショールームストア開発ゼミ』では販売と物流の分離でチェーンストアの在庫効率と運営効率をEC並みに高める流通革命の実務手順を豊富な実証資料で提じたい。
 2015/09/24 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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