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クロスマーチャンダイジングの技
 蔦屋家電では書籍で培われたクロスマーチャンダイジングの技が随所に見られるし、スーパーマーケットではゴンドラエンドの常套手段として定着した感があるが、ファッション店では試行錯誤の段階で、多用すれば訴求効果はあるものの在庫が分散して解り難くなり、売り逃しや在庫管理の混乱も生じる。そんな弊害が生じるのは‘出前’と‘元番地’が明確に認識されていないからだ。
 クロスマーチャンダイジングとは一般的なカテゴリー分類を超えて関連陳列するVMD手法で、パスタの棚にパスタソースやスパイスを添えたり(パスタ鍋やパスタトングまで添えるケースも見られる)、登山本の側にコンパスや防水カバーを置いたりするのは定着しているが、蔦屋家電では炊飯器の側にお米のパックまで添えている。確かに便利だしインパクトもあるが、それぞれのアイテムのバラエティから選ぼうとすると何処を探したら良いのか解り難さも指摘される。
 クロスマーチャンダイジングの便利さや陳列のインパクトと探し易さや在庫管理を両立するには、クロスマーチャンダイジングは‘出前’、バラエティや在庫の奥行きを揃えるのは‘元番地’と割り切って売場を構成する必要が在る。クロスマーチャンダイジングは米国で言う‘アウトポスト’(出前)であり、クロスマーチャンダイジング陳列から一見して解る近所に元番地を配するか接客で誘導し、訴求期間が終われば元の陳列場所(元番地)に戻す運用が不可欠だ。
 ショールームストアではサンプル陳列の出前だけに割り切り、元番地はカウンター越しの‘見える店内ストック’に置いて陳列整理作業と在庫量を最少に抑えるが、オムニチャネルにECと連動してDCから宅配する比率を高めれば店内在庫は格段に圧縮出来る。その分、在庫運用は効率化し、店舗の家賃負担も人件費も大きく圧縮出来る。ショールーム型サンプル陳列はEC画面と売場陳列の一致であり、オムニチャネル時代の必然的帰結だと思う。オムニチャネル化とともにVMDも急速に変貌せざるを得ないのだ。
※写真では島のテーブル陳列が‘出前’、壁面の棚陳列が‘元番地’。
 2015/05/25 11:14  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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