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Rady事件の教訓
 既に旧聞に属するとは思うが、ルミネエストの人気店「Rady」のカリスマ店員ら三人が後方ストック他社商品の窃盗で新宿署に逮捕された翌日(二月四日)、即シャッターを下して退店に至った事は業界に衝撃を与えた。飲食業などで頻発している‘バイトテロ’とは性格が異なるとは言え、従業員の犯罪行為やテロ行為が企業に致命的な打撃を与えかねない事はベネッセ事件を振り返るまでもない。
 この事件から学ぶ教訓は二つあると思う。第一は企業統治の問題で、従業員の待遇やキャリアアップ、現場のカイゼン活動や従業員提案など、全社の成果配分と経営参画という‘統治’の軽視が思わぬリスクをもたらすという当たり前の事。現場を経営層が搾取する‘蟹工船’的専制統治では現場の不満が鬱積し、意欲の低下やサボタージュ、果ては情報の流出や企業内テロを誘発しかねない。
 第二は商業施設後方の複数テナント/ブランド在庫の管理・ピッキング体制の在り方で、第三者はもちろん当事者従業員による盗難を避ける為にも、販売に集中すべき店舗要員を在庫管理やピッキングのために売場から離さないためにも、物流専門業者に全面委託すべきだ。すでに大型商業施設や百貨店ではテナント毎に多数の搬入車が出入りする事を回避すべく、近隣の物流業者施設に納品させた商品を一括して運び込む体制が広がっているが、商業施設内後方のテナント/ブランド在庫も同様に、搬入・検品して棚入れ管理し、売場からの要請に即応してピッキングして届ける一貫サービスを物流専門業者に委託すべきだと思う。
 百貨店の後方など管轄消防署が見たら目を吊り上げそうなほど乱雑にパッキンが積み上げられ、各ブランド在庫のセキュリティなど無いに等しく、プロなら盗り放題に見える。新宿某百貨店など売場陳列の色・サイズを絞っているため、売場によっては後方の在庫を探して持って来るまで10分近くを要する。その間、顧客は待たされるし、売場を離れた販売員さんは接客する事が出来ない。消化仕入れのブランドが大半という百貨店の現実を考えれば、ブランド後方在庫のセキュリティ管理上からも専門業者委託が強く望まれる。
 2015/03/20 11:19  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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