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メンズ優位の背景は?
 全国百貨店でも都内百貨店でも14年1月以来、13ヶ月連続して紳士服の前年比が婦人服を上回り続けており、直近1月の都内百貨店では格差が9.9ポイントと10ポイントに迫った。それは駅ビルやSCでも同様で、当社の調査では14年度12ヶ月間の単純平均でメンズブランドはレディスブランドを2.3ポイント上回っていた。春直近のレディスルックでもビッグボーイやノームコア、ミリタリーやワークといったメンズ震源のパワートレンドが目立っているし、秋冬もメンズの影響が強いと予測される。
 その要因としてノームコア志向でメンズ商品を着る女性の増加、景気の浮揚やメンズ特有の3年サイクルの買い替え需要などが挙げられるが、より本質的な要因として正価買上率の高さ、長期に縮小して婦人服対比で小さくなり過ぎた紳士服市場がノームコアなお洒落に目覚めた男達の消費で急回復している事を指摘したい。
 売れ筋後追いの期中企画が氾濫して同質化し、タイムセールなど値引き販売が主流となって正価買上率が激減したレディスに較べ、未だ自社開発の計画生産が主流で値崩れの少ないメンズは正価買上率が高く、既存店前年比を下支えしている。加えて91年の4兆3000億円から2兆5500億円と23年間で6掛け弱に減少し、婦人服の四掛け強まで縮小した紳士服市場が底を打って回復に転じたと見られる。
 世界的に見て紳士服市場は婦人服市場の三分の二が平均で、米国では七掛け、イタリアでは八掛け以上と聞く。日本でも1971年頃までは極端な格差はなかったが、ファッション化とともに婦人服市場が拡大して91年頃には倍以上に開き、バブル崩壊以降は婦人服を上回るペースで縮小して行った。百貨店市場では79年の59掛けから2014年には32掛けまで格差が広がり、大都市の大型店では婦人服3フロアに紳士服1フロアという姿が定着するに至った。諸外国と較べて幾らなんでも女尊男卑も行き過ぎで、ノームコアとクールジャパンの潮流下で日本の男達がお洒落になる中、紳士服市場が急回復しているという訳だ。
 洋服文化が定着した欧米ではクリエイションに較べてユーティリティの比重が低く、着こなし着崩しのセンスは今ひとつだが、江戸の意気なキモノ文化を何処かに引き継いだTOKYOの男達は着こなし着崩しのユーティリティに長け、ちんちくりんに服に着られた欧米の男達に較べれば断然、カッコイイ!欧米ランウェイのモデルたちは足が長いだけのマネキンロボットにしか見えないし、雑誌「LEON」に出て来るイタリア親父など不細工な‘腸詰め男’と揶揄したくなる。元祖ノームコアたるTOKTOストリートの男達は今や世界一カッコイイのだ!!!
 2015/02/24 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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